【編集長の視点】HMTは連日の年初来高値、3Q高利益進捗率業績を手掛かりに割安バイオ株買いが増勢

 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<HMT、6090>(東証グロース)は、前日21日に36円高の775円と8営業日続伸して引け、連日の年初来高値更新となった。今年5月14日に発表して今2025年6月期第3四半期(2024年7月~2025年3月期、3Q)業績が大幅増益で着地し、利益がすでに期初の今6月期通期業績をオーバーしたことから通期業績の上ぶれ期待を高め割安バイオ株買いが増勢となった。また同社株は、今年3月12日に東証グロース市場からスタンダード市場への上場市場の変更を申請しており、合わせて買い材料視されている。

■3Q利益はすでに6月期通期予想業績を9300万円~2400万円上回る

 同社の今6月期3Q業績は、売り上げ12億6600万円(前年同期比13.5%増)、営業利益3億5300万円(同40.5%増)、経常利益3億4200万円(同36.0%増)、純利益3億400万円(同32.2%増)と大幅続伸した。先端研究開発支援事業では高感度網羅解析サービスの売り上げが9億9460万円(同32%増)と伸び、全社費用配賦後のセグメント利益は、「バイオものづくり」などの研究開発費増で2億9103万円(同2.8%減)と伸び悩んだが、ヘルスケア・ソリューション事業では、機能性素材開発支援サービスが、新規受注の獲得や皮膚ガス測定サービスの増加などで売り上げが2億7177万円(同78.6%増)、セグメント利益が6294万円(前年同期は4744万円の赤字)と黒字転換したことなどが要因となった。

 今6月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ15億円(前期比11.5%増)、営業利益2億6000万円(同18.1%増)、経常利益2億8000万円(同16.0%増)、純利益2億8000万円(同15.1%増)と見込んでいる。ただ3Q売り上げは、通期予想業績に対して84%の進捗率と目安の75%を上回り、利益はすでに9300万円~2400万円オーバーしているだけに期末に掛けての上ぶれ修正期待も高まりそうだ。なお東証スタンダード市場への上場申請は、創業後20年が経過して同社が、新たな成長ステージに入っていることに対応するもので、流通株式時価総額などを含めてすべてが、東証スタンダード市場の上場基準を充足している。

■GC示現で上昇トレンド転換を鮮明化しPER16倍の割安修正を加速

 株価は、今年2月に発表した今期第2四半期の好決算に自己株式取得、東証スタンダード市場への上場市場変更の準備が上乗せとなって723円高値をつけ、今年4月のトランプ関税による世界同時株安時には年初来安値590円と売られたが、売られ過ぎとしてリバウンドし、今期3Qの好決算で年初来高値追いとなり25日移動平均線が75日移動平均線を上抜きゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。PERは16.3倍と東証グロース市場の全銘柄平均の38.3倍を下回って割安であり、2023年6月高値794円抜けから次の上値フシとして2022年9月高値969円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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