朝日ラバーは24年3月期1Q営業赤字、2Q累計および通期の純利益予想を上方修正

(決算速報)
朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は8月8日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。減収で営業損益は赤字、経常利益と純利益は大幅減益だった。主力の自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため第2四半期累計および通期の純利益予想を上方修正した。営業利益と経常利益は期初計画を据え置いて減益予想としているが、第2四半期以降の回復を期待したい。株価は反発力が鈍くモミ合う形だ。そして第1四半期業績および純利益予想上方修正に対する反応は限定的だった。ただし週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形となっている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期1Qは営業赤字、2Q累計および通期の純利益予想を上方修正

24年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比5.1%減の16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が86.3%減の11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.4%減の6百万円だった。

減収で営業損益は赤字、経常利益と純利益は大幅減益だった。医療・衛生用ゴム製品は順調だったが、主力の自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお国内・海外別の売上高は国内が10.9%減の12億27百万円、海外合計が16.3%増の4億38百万円(アジアが14.5%増の4億03百万円、北米が42.7%増の31百万円、欧州が30.9%増の3百万円)だった。

工業用ゴム事業は売上高が9.2%減の12億90百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が74.1%減の32百万円だった。卓球ラケット用ラバーやRFIDタグ用ゴム製品は増収だったが、主力の自動車向けゴム製品が採用車種の在庫調整の影響を受け、ASA COLOR LEDやスイッチ用ゴム製品の売上が減少した。

医療・衛生用ゴム事業は売上高が12.3%増の3億75百万円、セグメント利益が18.2%増の33百万円だった。コロナ後の需要回復に加えて、海外リスクを考慮した顧客の在庫積み増しなどにより、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

なお第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため、8月8日付で第2四半期累計および通期の純利益予想を35百万円上方修正)した。修正後の通期連結業績予想は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が30.5%減の1億41百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は64.4%となる。

営業利益と経常利益は期初計画を据え置いて減益予想としているが、第2四半期以降の回復を期待したい。

■株価は調整一巡

株価は反発力が鈍くモミ合う形だ。そして第1四半期業績および純利益予想上方修正に対する反応は限定的だった。ただし週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形となっている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。8月9日の終値は549円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円08銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る