住友化学が超微粒アルミナ(NXAシリーズ)を世界初製品化、新たな市場の創出に挑む

■無機材料のイノベーションで新たな市場の創出へ

 住友化学<4005>(東証プライム)は28日、世界に先駆けて超微粒αアルミナの量産技術の開発に成功し、愛媛工場(愛媛県新居浜市)に新設した製造設備で、本年9月から量産を開始すると発表。無機材料の技術イノベーションの成果として、ICT・省エネルギーやライフサイエンス領域などにおける新たな市場の創出を、顧客とともに加速していく。2025年度には、高純度アルミナ事業の売上高を23年度比3割増にすることを目指していく。

 アルミナは水酸化アルミニウムを高温で焼いて作られる物質で、そのうち純度99.99%以上のものを高純度アルミナと呼びます。今回量産を開始するのは、主に工業製品に用いられるαアルミナの超微粒グレード「NXAシリーズ」で、粒子径が150nm(0.15μm)以下の均質な超微粒子という特徴を有している。粒度が比較的大きい同社製品と比較すると、およそ200分の1のサイズとなる。

■半導体からライフサイエンスまでの利用を見込む

 住友化学は、高純度アルミナのリーディングカンパニーとして、高品質で安定性が高いだけでなく、顧客要求に対応可能な幅広い製品グレードを有している。そのため、これまでもリチウムイオン二次電池用のセパレータ部材などのエネルギー分野のほか、LED基板向けのサファイア、半導体用放熱材料などのICT分野を中心に、幅広い用途で活用されてきた。新グレードは、次世代半導体向けの研磨材用途のほか、超微細な粒子で焼結させやすい特長により、高強度・耐薬品性が必要な半導体製造装置用部材などの先端分野や、高強度・審美性が求められる人工関節や歯科材料といったライフサイエンス分野など、新たな領域での利用が見込まれている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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