【編集長の視点】ラクト・ジャパンは直近IPO株人気を高めバリュー株買いが再燃し急反発

編集長の視点

ラクト・ジャパン<3139>(東2)は、48円高の1494円と3日ぶりに急反発して始まり、今年8月28日の新規株式公開(IPO)時の公開価格1400円から上放れ気配を強めている。IPO時は、世界同時株安にツレ安し、公開価格と同値で初値をつけ上場来安値1383円まで売られたが、相場全般の落ち着きとともに、PERは9倍台、配当利回りも2.0%となお割安としてバリュー株買いが再燃し、直近IPO株人気も支援している。目下、最終交渉局面にあり難航している環太平洋経済連携協定(TPP)の一転した合意期待も、サポート材料として意識されている。

■食肉加工事業は伸び悩むが乳原料・チーズ事業は順調に推移

同社は、乳原料・チーズ、食肉加工品などの輸入を主力事業とする卸売会社で、海外子会社ではチーズを製造・販売する食品事業も展開している。取り扱っている農畜産加工品は近年、国内農畜産業の厳しい経営環境を受けて生産量が減少、輸入調達の重要性が高まっており、同社は、創業以来培ってきた世界各国の産地との連携を背景に食品メーカーに安心、安全な乳原料などを安定供給している。またシンガポール子会社でも、チーズを生産し、東南アジア諸国や中国へ輸出するアジア事業も展開、フル操業が続いている。

 今11月期業績は、売り上げ932億5700万円(前期比3.4%増)、経常利益11億7400万円(同28.9%減)、純利益6億8200万円(同30.9%減)と減収減益を見込んでいる。国内の乳製品市場の需要は堅調で、乳原料・チーズ事業の売り上げは、670億200万円(同4.7%増)と順調に推移するが、食肉加工品事業で、主力取扱品目の米国産豚肉の販売価格が、豚流行性下痢の影響で品薄感が高まり、米国西海岸の港湾労働争議の影響も重なって上昇傾向となり売り上げが133億3400万円(同14.9%減)と伸び悩むことなどが響く。ただ期末配当は、30円を予定している。

■PERは9倍台となお割安でTPP交渉合意のメリット株思惑も底流

株価は、初値形成後に下ぶれた上場来安値1383円から上場来高値1638円まで255円高、18%高して、ダメ押しで下値を確かめて再騰に転じているが、PERはなお9倍台、配当利回りも2.0%と割安である。TPP交渉の最終合意に向けメリット株の一角に位置するだけに、直近IPO株人気を高め最高値奪回から上値チャレンジを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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