【編集長の視点】サトー商会は業績上方修正、増配を手掛かりに割安消費関連株買いが高まる

■過去最高益に肉薄!外食回復で業績上方修正・増配

 サトー商会<9996>(東証スタンダード)は、今年9月15日に発表した今2024年3月期業績の上方修正で、期初の減益転換予想が2ケタ続伸となり、配当も増配を予定し連続増配幅を拡大することを手掛かりに消費関連の割安株買いが増勢となっている。テクニカル的にも、業績の上方修正とともに窓を開けて年初来高値1705円まで急伸し、この窓埋め終了したことから目先調整一巡として再発進期待を強めている。

■外食産業の景況感が想定を上回り営業活動強化の効果もオン

 同社の今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを16億5700万円、営業利益を3億7400万円、経常利益を4億2600万円、純利益を3億1400万円それぞれ引き上げ、売り上げ476億円(前期比9.0%増)、営業利益14億8000万円(同19.3%増)、経常利益17億円(同25.5%増)、純利益11億8000万円(同21.9%増)と見込み、期初の減益転換予想が2ケタ増益と続伸し、純利益は、過去最高11億9100万円(2019年3月期)に肉薄する。

 期初は、円安・ドル高、エネルギー価格高騰を背景とした物価上昇で消費者マインドが低下する懸念があるとして減益転換を予想していたが、新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類が5類に引き下げられたことで外出機会が増えて人流も回復し、外食業種を中心に景況感が当初想定を上回り、食品商社として既存顧客向けに営業活動を強化した効果が顕在化し、コスト削減を引き続き進めたことなどが要因となっている。今期配当は、業績の上方修正とともに期初予想の年間35円から40円(前期実績31円)に引き上げ、連続増配幅を拡大させる。

■窓埋め完了で目先調整が一巡しPER10倍、PBR0.5倍の修正に再発進

 株価は、今年2月の前期業績の上方修正と増配に反応して1300円まで買い進まれたが、今期業績の減益転換予想で1155円と下ぶれ、今期第1四半期の2ケタ続伸業績に外食産業各社の業績回復が加わって1490円高値まで買い進まれ、今期業績の上方修正・増配とともに窓を開けて年初来高値1705円まで急伸した。同高値からは全般相場の急落とともに1401円安値まで急落、25日線割れでダメ押しをして往って来いの窓埋めを完了した。PERは10.7倍、PBRは0.52倍と割安であり、年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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