シスメックスと富士レビオHD、免疫検査領域における業務提携基本契約を締結

■免疫検査の発展・深化に貢献、研究・開発から販売まで協力

 シスメックス<6869>(東証プライム)とH.U.グループホールディングス<4544>(東証プライム)グループの富士レビオ・ホールディングスは10日、免疫検査領域における研究・開発、生産、臨床開発、販売など多面的な協業の強化に合意し、業務提携基本契約を締結したと発表。

 シスメックスは、50年以上にわたる検体検査領域での事業展開を通じて、同分野における強固な技術基盤、グローバルネットワークを培ってきた。さらなる検体検査事業の強化に向けて、免疫検査領域において、欧米市場を含むグローバル展開の加速を目指している。近年は、血液からアルツハイマー病の原因となる脳内アミロイドβ(Aβ)の蓄積状態を調べる検査試薬を、日本および米国LDT(※)市場に向けて導入するなど、新たな価値を生み出すユニークな項目の開発・提供に向けた活動にも注力している。

 富士レビオHDは、長年にわたる免疫検査領域における事業展開を通じて、幅広い試薬原料や製品ポートフォリオを有している。近年、自社製品のみならず、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:受託開発製造)戦略を強化し、ユニークな項目のグローバル展開を進めてきた。その一環として2020年以降、富士レビオHDはその子会社を通じ、シスメックスの全自動免疫測定装置 HISCL(TM)シリーズの専用試薬複数項目の開発を進めてきた。

 今回、両社が保有する免疫検査領域における専門性と強みを組み合わせることが、両社のグローバル展開を加速し、ひいては免疫検査の発展・深化に寄与するとの共通の考えに基づき、協業の強化に合意した。今後、2024年3月末までを目途に、研究・開発、生産、臨床開発、販売など、多岐にわたる協業の可能性からテーマを選定し、実行フェーズへと順次進めていく予定である。

 両社は、このたびの協業の強化により、価値の高い検査をいち早くグローバルのお客様にお届けすることを目指していくとしている。

【注釈】
※LDT : Laboratory Developed Test(自家調製検査)の略。医療機関や検査センターなどの臨床検査室内において、独自の品質管理規定に基づき行われる検査。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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