トレジャー・ファクトリーは24年2月期予想を上方修正、さらに再上振れ余地

(決算速報)
 トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は10月11日の取引時間終了後に24年2月期第2四半期累計連結業績を発表した。既存店売上が好調に推移し、グループ会社も貢献して前回予想(7月12日付で上方修正)を上回る大幅増収増益だった。そして通期の連結業績予想および配当予想を上方修正した。配当予想は2回目の上方修正となる。なお愛知県を中心にゴルフ専門のリユースショップを展開しているアクオを子会社化することを発表した。既存店売上は9月も107.8%と好調を維持していることなどを勘案すれば、通期会社予想に再上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが、好業績を評価して出直りを期待したい。

■24年2月期2Q累計大幅増収増益で通期予想を上方修正

 24年2月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比23.7%増の158億62百万円、営業利益が44.5%増の14億48百万円、経常利益が42.3%増の14億68百万円、親会社株主帰属四半期純利益が40.2%増の9億32百万円だった。EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)は42.4%増の16億55百万円だった。

 7月12日付の上方修正値(売上高157億29百万円、営業利益13億87百万円、経常利益13億98百万円、親会社株主帰属四半期純利益9億09百万円)を上回る大幅増収増益で着地した。リユース意識の高まり、物価高による節約志向の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が好調に推移し、グループ会社も貢献した。営業利益の前年同期比+4億46百万円の増減分析は、単体既存店と前期出店店舗の増益で+5億37百万円、新店で▲51百万円、その他(買取体制強化、広告宣伝費増加、採用強化など)で▲2億65百万円、グループ会社の貢献で+2億25百万円だった。

 新規出店は年間25店舗前後の計画に対して、グループ合計12店舗(海外およびFCを含む)を出店した。なお23年10月末時点のグループ店舗数(海外およびFCを含む)は253店舗となった。

 単体ベースの既存店売上高は111.5%、販売件数は106.0%、1件あたり販売単価は105.1%だった。既存店売上総利益率は65.9%で0.7ポイント低下した。ブランド品やホビーアイテムのトレカなど原価率の高い高単価商材の販売が好調だった。また前年は新品家電の供給が細り、中古家電の売値や利益率が高くなっていたが、当期は通常の売値・利益率に戻ったことも影響した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が82億59百万円で営業利益が10億32百万円、第2四半期は売上高が76億03百万円で営業利益が4億15百万円だった。第2四半期は低単価の夏物衣料が増加するため、売上高・利益とも構成比が低い季節要因がある。

 通期連結業績予想(10月11日付で売上高を20億26百万円、営業利益を2億90百万円、経常利益を3億02百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億47百万円、それぞれ上方修正)は、売上高が23年2月期比19.0%増の335億86百万円、営業利益が22.7%増の31億47百万円、経常利益が21.1%増の31億76百万円、親会社株主帰属当期純利益が17.8%増の20億15百万円としている。配当予想(7月12日付で第2四半期末2円上方修正、10月11日付で期末2円上方修正)は年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。23年3月1日付の株式2分割遡及修正後で23年3月期(18円50銭)比6円50銭増配となる。予想配当性向は29.0%となる。

 通期の新規出店(連結ベース)は25店舗前後としている。既存店売上(単体ベース)については、期初時点で下期を前期並みの前提としていたが、修正後は第3四半期を前年比104%、第4四半期を101%の想定に修正した。売上総利益率については、期初時点で下期を前期並みの前提としていたが、第3四半期を前年比0.2%低下、第4四半期を前期並みの想定に修正した。その他のコスト面では、追加費用として約1億円(9月からの従業員給与のベースアップで約30百万円、宅配買取拠点拡張費用で約30百万円、M&A関連費用で約40百万円追加)を見込んでいる。なおアクオを第4四半期から新規連結するが業績への影響は軽微の見込みとしている。

 修正後の通期連結業績予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高47%、営業利益46%、経常利益46%、親会社株主帰属当期純利益46%となる。第2四半期(6月~8月)は単価の低い夏物衣料が主力となるが、下期(9月~2月)は単価の高い冬物衣料が主力となることや、既存店売上は9月も107.8%と好調を維持していることなどを勘案すれば、通期会社予想に再上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は好業績を評価して出直り期待

 株価(23年3月1日付で株式2分割)は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが、好業績を評価して出直りを期待したい。10月11日の終値は1274円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円25銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS291円34銭で算出)は約4.4倍、時価総額は約310億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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