ヤマシタヘルスケアHDは引き続き開発中の超音波画像診断装置に積極投資、今期は増収減益を見込む

(決算速報)

■低侵襲治療分野や医療の質向上に寄与する医療機器など好調の予想

 ヤマシタヘルスケアHD(ヤマシタヘルスケアホールディングス)<9265>(東証スタンダード)の2025年5月期の連結決算は、医療機関を取り巻く経営環境が人件費の高騰やエネルギーコストの上昇などにより依然として厳しい中で、放射線機器等の設備投資需要が前年同期よりも増加したことや、検査・手術件数の増加により診療材料等の医療機器消耗品の需要が堅調に推移したことなどにより、売上高は前期比4.8%増の644億86百万円となった。

 利益面では、賃上げによる人件費の増加や物流コストの上昇、事業子会社であるマイクロソニック株式会社において開発中の超音波画像診断装置「ブレストスキャン」にかかる研究開発費(1億64百万円)などにより、営業利益は同13.3%減の8億38百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.3%減の6億16百万円となった。

 同社グループでは現在、「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を基本方針とする中期経営計画(2024~2026年度)を推進しており、積極的な投資やM&Aによる事業領域の拡充を掲げるとともに、グループ機能の向上による相乗効果の発揮を目指している。

 今期・26年5月期は、画像診断装置を用いて行うIVE(Interventional Endoscopy)やIVR(Interventional Radiology)といった低侵襲治療分野、および医療の質向上と効率化に寄与する医療機器やITシステムの需要が底堅く推移するものと想定する。また、利益面では、売上総利益の増加が見込まれる一方で、ベースアップや人的資本投資にかかる人件費関連コストの上昇、物流センターリニューアルにともなうコストの計上、事業子会社マイクロソニック株式会社にて開発中の超音波画像診断装置「ブレストスキャン」にかかる研究開発費の計上などにより減益を見込んでいる。

 今期・26年5月期の連結業績予想は、売上高を676億47百万円(前期比4.9%増)とし、営業利益は5億90百万円(同29.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億54百万円(同42.6%減)を見込むとした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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