日本製鉄とNSSOLが共同で開発した出鋼スケジューリングシステムが東日本製鉄所君津地区で本格運用を開始

■数理最適化技術で製鋼工程の生産計画を高速立案

 日本製鉄<5401>(東証プライム)と日鉄ソリューションズ(NSSOL)<2327>(東証プライム)は25日、数理最適化技術を応用した、製鋼工程における生産計画を高速立案する出鋼スケジューリングシステムを共同で開発し、日本製鉄東日本製鉄所君津地区で本格運用を開始したと発表。同システムは、熟練技能者と同等以上の週次計画案を、数秒から数分という短時間で導き出すことが可能である。これによって、従来、数時間かけて立案していた業務に対して圧倒的に短時間で計画案を作成するとともに、品質・コスト・納期を総合的に満足する計画を作成することが可能な仕組みを実現した。

 同システムは、日本製鉄のデジタルトランスフォーメーション戦略における「生産計画DX」の一環として、生産計画業務の一元化・迅速化を推進している。製鋼工程は、膨大な選択肢の中から最適な計画を導き出す必要があり、これまで熟練技能者が週次で多大な時間をかけて計画を作成していた。同システムでは、熟練者の暗黙知をデータや条件として形式知化し、数理最適化技術を応用したアルゴリズムを構築することで、計画時間を70%削減した。また、前提条件を様々に変更した複数の計画案を作成し、計画担当者の計画評価・修正・最終計画の確定といった意思決定の時間を確保した。さらに、下流工程への影響評価や業務前提変化時の迅速な再スケジューリング対応などの業務の高度化も実現した。

 同システムは、パブリッククラウドを採用し、高速なCPUでの並列計算などを適時行える仕組みを構築している。東日本製鉄所君津地区を皮切りに、各製鉄所へ順次展開し、全社での生産計画の一元化を進めていく予定である。日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「産業と技術革新の基盤をつくろう」)を通じて、社会の発展に貢献していくとしている。また、NSSOLは、パーパス「ともに未来を考え 社会の新たな可能性を テクノロジーと情熱で切り拓く」のもと、製造業をはじめとする社会全体のデジタル化を通じた発展に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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