綿半ホールディングスは24年3月期2Q累計営業・経常減益だが計画超で着地、通期増益予想据え置き

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は10月31日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。小売事業は順調だったが、前期に大幅伸長した建築事業の反動により営業・経常減益だった。ただし各利益は計画を超過達成して着地した。そして通期益予想を据え置いている。各事業とも概ね順調に推移する見込みだ。第2四半期累計の進捗率はやや低水準の形だが、期初時点で下期偏重の計画であること、四半期別に見ると第2四半期は第1四半期比で大幅増収増益だったことなどを勘案すれば、積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大基調に変化はないだろう。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新する場面があったが、調整一巡して反発の動きを強めている。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する可能性があるが下値限定的だろう。

■24年3月期2Q累計営業・経常減益だが計画超、通期増益予想据え置き

 24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比3.6%減の619億78百万円、営業利益が8.3%減の10億32百万円、経常利益が11.3%減の12億61百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.9%増の7億66百万円だった。

 小売事業は順調だったが、前期に大幅伸長した建築事業の反動により営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益については、特別利益に固定資産売却益1億76百万円、特別損失に減損損失1億33百万円を計上し、法人税等の減少も寄与して増益だった。なお期初計画(657億63百万円、営業利益8億95百万円、経常利益10億40百万円、親会社株主帰属四半期純利益6億30百万円)との比較で見ると、売上高は計画を下回ったが、各利益は計画を超過達成して着地した。

 小売事業は売上高が3.2%増の395億32百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が13.2%増の5億59百万円だった。増収・2桁営業増益と順調だった。売上面は前期第2四半期にオープンした2店舗(綿半スーパーセンター上田店、綿半スーパーセンター権堂店)も寄与して増収となり、利益面はオリジナル商品の開発加速なども寄与した。

 建設事業は売上高が22.4%減の182億54百万円、利益が78.3%減の2億08百万円だった。前期に大幅伸長した反動で減収減益だった。

 貿易事業は売上高が53.6%増の34億31百万円、利益が413.7%増の6億11百万円だった。上期に納品が集中した影響で大幅増収増益だった。その他(不動産事業など)は売上高が213.3%増の7億59百万円、利益が123.8%増の1億09百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高297億62百万円で営業利益2億40百万円、第2四半期は売上高322億16百万円で営業利益7億92百万円だった。第2四半期は第1四半期で大幅増収増益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比2.8%増の1380億円、営業利益が13.4%増の27億24百万円、経常利益が2.0%増の31億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.9%増の18億50百万円としている。配当予想は23年3月期比1円増配の23円(期末一括)としている。9期連続増配予想で、予想配当性向は24.7%となる。

 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が3.6%増の804億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.9%増の9億60百万円、建設事業の売上高が0.4%増の498億円で利益が0.1%増の18億90百万円、貿易事業の売上高が2.3%増の61億37百万円で利益が27.3%増の7億34百万円としている。各事業とも概ね堅調に推移する見込みだ。

 第2四半期累計の進捗率は売上高45%、営業利益38%、経常利益40%、親会社株主帰属当期純利益41%とやや低水準の形だが、期初時点で下期偏重の計画であること、四半期別に見ると第2四半期は第1四半期比で大幅増収増益だったことなどを勘案すれば、積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大基調に変化はないだろう。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新する場面があったが、調整一巡して反発の動きを強めている。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する可能性があるが、下値限定的だろう。10月31日の終値は1329円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円99銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1068円23銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約265億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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