建設技術研究所は23年12月期3Q累計大幅増益、通期業績・配当予想を上方修正

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 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は11月10日の取引時間終了後に23年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。受注が好調に推移し、業務単価の上昇、業務の効率化、業務の順調な進捗、円安などで大幅増収増益だった。そして通期業績予想を上方修正(8月14日付に続いて2回目)し、増収増益幅が拡大する見込みとした。また配当予想も上方修正して大幅増配予想とした。国土強靭化関連で良好な事業環境も背景として、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上場来高値更新の展開だ。指標面に割高感はなく、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■23年12月期3Q累計大幅増益、通期業績・配当予想を上方修正

 23年12月期第3四半期累計(1月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.3%増の690億15百万円、営業利益が27.9%増の83億31百万円、経常利益が26.2%増の84億38百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が35.6%増の61億22百万円だった。

 受注が好調に推移し、業務単価の上昇、業務の効率化、業務の順調な進捗、円安などで大幅増収増益だった。グループ合計受注高は9.0%増の768億31百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高247億60百万円で営業利益37億42百万円、第2四半期は売上高228億63百万円で営業利益34億24百万円、第3四半期は売上高213億92百万円で営業利益11億65百万円だった。

 通期連結業績予想は11月10日付で上方修正(8月14日付に続いて2回目)して、売上高が22年12月期比9.0%増の910億円、営業利益が21.0%増の97億円、経常利益が19.0%増の98億円、そして親会社株主帰属当期純利益が19.2%増の70億円としている。配当予想は11月10日付で期末50円上方修正して、22年12月期比50円増配の150円(期末一括)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 前回予想に対して売上高を40億円、営業利益を12億円、経常利益を12億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円、それぞれ上方修正して増収増益幅が拡大する見込みとした。また配当予想も上方修正して大幅増配予想とした。国土強靭化関連で良好な事業環境も背景として、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上場来高値更新の展開

 株価は上場来高値更新の展開だ。指標面に割高感はなく、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月10日の終値は4705円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS503円67銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の150円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3360円83銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約666億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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