ASIAN STARは23年12月期3Q累計赤字拡大だが通期黒字予想据え置き

 ASIAN STAR<8946>(東証スタンダード)は11月10日の取引時間終了後に23年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。不動産販売事業において、不動産相場並びに建築資材高騰などを背景として開発を慎重に吟味しているため、大幅減収で赤字拡大した。ただし通期増収・黒字予想を据え置いた。積極的な事業展開により、通期ベースでの収益改善を期待したい。株価は地合い悪化も影響してモミ合いレンジを切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■23年12月期3Q累計赤字拡大だが通期黒字予想据え置き

 23年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比23.1%減の14億35百万円、営業利益が1億19百万円の損失(前年同期は2百万円の損失)、経常利益が1億21百万円の損失(同7百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が1億23百万円の損失(同8百万円の利益)だった。不動産販売事業において、不動産相場並びに建築資材高騰などを背景として開発を慎重に吟味しているため、大幅減収で赤字拡大した。

 不動産販売事業は売上高が49.1%減の4億43百万円、営業利益(全社費用等調整前)が8百万円の損失(同46百万円の利益)だった。不動産相場並びに建築資材高騰などを背景として開発を慎重に吟味しているため大幅減収だった。不動産管理事業は売上高が0.0%減の4億34百万円、営業利益が28.6%減の73百万円だった。新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたが、稼働を正常に復旧させるための営業費用が増加して減益だった。不動産賃貸事業は売上高が2.6%減の2億87百万円、営業利益が32.4%減の44百万円だった。駐車場の稼働率が低下した。不動産仲介事業は売上高が1.6%増の2億70百万円、営業利益が21.0%減の25百万円だった。グループ内の組織変更の影響で減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億67百万円で営業利益が49百万円の損失、第2四半期は売上高が4億円で営業利益が33百万円の損失、第3四半期は売上高が5億68百万円で営業利益が37百万円の損失だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年12月期比27.6%増の31億77百万円、営業利益が0.3%増の48百万円、経常利益が4.5%増の44百万円、親会社株主帰属当期純利益が41.4%減の32百万円としている。

 セグメント別売上高計画は、不動産販売事業が45.5%増の16億38百万円、不動産管理事業が7.6%減の5億35百万円、不動産賃貸事業が13.3%増の4億43百万円、不動産仲介事業が34.3%増の5億25百万円としている。

 中国・上海ロックダウンの影響が和らぐことも寄与して大幅増収・営業利益横ばい予想としている。重点戦略として横浜エリアを中心とした不動産管理・販売、タワーマンション等の大型物件の斡旋、中国における仲介件数・管理受託件数の増加などを推進するとしている。第3四半期累計は赤字拡大したが、売上計画の多くを下期に想定している。積極的な事業展開により、通期ベースでの収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響してモミ合いレンジを切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。11月10日の終値は84円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円69銭で算出)は約50倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS88円49銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約20億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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