カナモトは24年10月期2桁増益予想、自己株式取得も発表

(決算速報)
 カナモト<9678>(東証プライム)は、12月8日の取引時間終了後に23年10月期連結業績を発表した。売上面は堅調だったが、利益面は人財投資に加え、グループ内での吸収合併等に伴う減価償却費や販管費の増加などの影響で減益だった。24年10月期は、全体として建設機械レンタル需要の堅調推移を見込み、先行投資による費用増を吸収して2桁増益予想としている。レンタル用資産稼働率向上に向けた各種施策を推進する方針だ。災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事で需要が堅調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。なお自己株式取得を発表した。株価は戻り高値圏だ。24年10月期2桁増益予想、自己株式取得、1倍割れの低PBRなどを評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年10月期は減益、24年10月期は2桁増益予想

 23年10月期の連結業績(12月1日付で下方修正)は、売上高が22年10月期比5.0%増の1974億81百万円、営業利益が9.6%減の119億58百万円、経常利益が9.4%減の124億88百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が19.5%減の67億21百万円だった。配当は、22年10月期と同額の75円(第2四半期末35円、期末40円)とした。配当性向は40.5%となる。

 売上面は需要が堅調に推移して増収だったが、利益面は将来を見据えた人財投資、グループ内での吸収合併等に伴う減価償却費や販管費の増加などの影響により減益だった。

 建設関連事業は売上高が4.5%増の1780億87百万円、営業利益(調整前)が10.4%減の103億09百万円だった。需要面では地域差があるものの、全体として建機レンタル需要が堅調に推移した。中古建機販売についてはレンタル用資産の運用期間延長を進めつつ、適正な資産構成の維持に向けて期初計画に基づいた売却を進めて5.0%増収だった。その他事業は売上高が10.2%増の193億93百万円で、営業利益が7.1%減の11億44百万円だった。鉄鋼関連、情報関連、福祉関連とも概ね計画水準で推移した。

 四半期別にみると、第1四半期は売上高495億08百万円で営業利益30億96百万円、第2四半期は売上高477億60百万円で営業利益22億31百万円、第3四半期は売上高478億87百万円で営業利益24億28百万円、第4四半期は売上高523億26百万円で営業利益42億03百万円だった。なお季節要因として、売上高は第4四半期(8~10月)から第1四半期(11月~1月)にかけてピークとなり、第2四半期(2~4月)および第3四半期(5~7月)は減少する傾向がある。

 24年10月期連結業績予想は売上高が23年10月期比4.0%増の2053億円、営業利益が17.9%増の141億円、経常利益が14.5%増の143億円、親会社株主帰属当期純利益が23.5%増の83億円としている。配当予想は23年10月期と同額の75円(第2四半期末35円、期末40円)としている。予想配当性向は32.0%となる。

 全体として建設機械レンタル需要の堅調推移を見込み、先行投資による費用増を吸収して2桁増益予想としている。レンタル用資産稼働率向上に向けた各種施策を推進する方針だ。災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事で需要が堅調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。24年10月期2桁増益予想、自己株式取得、1倍割れの低PBRなどを評価して上値を試す展開を期待したい。12月8日の終値は2582円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS234円34銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の75円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3729円73銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約1000億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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