【どう見るこの株】イクヨは3Q決算発表に期待を高め上方修正業績を買い直して急反発

 イクヨ<7273>(東証スタンダード)は、前日5日に88円高の2623円と3営業日ぶりに急反発して引けた。同社は、2月14日に今2024年3月期第3四半期(2023年4月~12月期、3Q)決算の発表を予定しており、昨年11月にすでに今3月期通期業績が上方修正されていることを見直し、割安株買いが再燃した。また今年3月27日に臨時株主総会の開催が予定され株主提案が付議されることから、同社が注力中のEV(電気自動車)への展開が急速に進むと観測されていることも、側面支援材料視されている。

■半導体不足緩和で自動車各社の生産台数が伸びて減益転換率を縮小

 今3月期通期業績は、期初予想より売り上げが2億3000万円、営業利益が1億4300万円、経常利益が1億5400万円、純利益が1億200万円それぞれ引き上げられ、売り上げは168億円7800万円(前期比15.5%増)と続伸し、利益は営業利益を4億7900万円(同31.0%減)、経常利益を4億5800万円(同35.1%減)、純利益を3億2500万円(同34.0%減)と見込み、期初予想の減益転換率を縮小させる。自動車完成車メーカーの半導体などの部品供給不足が緩和され、自動車各社の生産台数が伸びており、売り上げ増加により利益率も改善していることが要因となった。3Q業績も、昨年10月にはインドネシア子会社の新工場が稼働を開始しており、この寄与などから業績進捗度に注目が集まっている。

 一方、臨時株主総会は、同社自身が提案の監査役人事と筆頭株主が株主提案した取締役4名の選任が付議されている。株主提案は、EV事業強化は新しい取締役が適任としており、これに対して同社は現在、株主提案に対する取締役会意見を検討中で、いずれにしてもEV事業の展開にはポジティブになると期待されている。

■PER12倍、PBR0.7倍の修正でまず上場来高値調整幅の3分の1戻し

 株価は、今期業績の減益転換予想で1400円台を出没する下値もみ合いが続き、昨年10月には昨年来安値1194円まで調整した。同安値からはインドネシア工場の稼働や今3月期業績の上方修正が続いて3500円まで大きくリバウンドした。その後の今年1月安値1830円からは臨時株主総会思惑を強めて連続ストップ高を交えて上場来高値3890円まで急騰した。足元では2501円まで再調整したが、PERは12.2倍、PBRは0.76倍と割安である。まず上場来高値から直近安値への3分の1戻しの2964円奪回から半値戻3195円を上抜き、全値戻しの上場来高値にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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