インテージホールディングスは24年6月期2Q累計減益だが通期営業・経常増益予想据え置き

(決算速報)
 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)は2月7日の取引時間終了後に24年6月期第2四半期累計連結業績を発表した。計画を下回り2桁減益で着地した。売上面では第1四半期に一部顧客の予算縮小などの影響を受け、利益面ではNTTドコモとの資本業務提携に関連する費用が発生したことも影響した。ただし通期の営業・経常増益予想を据え置いた。パネル調査が堅調に推移しており、消費財メーカーやヘルスケアのリサーチ事業も業績改善傾向としている。NTTドコモとの資本業務提携によるシナジー効果も期待され、積極的な事業展開により通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は23年12月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年6月期2Q累計減益だが通期営業・経常増益予想据え置き

 24年6月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比1.3%増の143億06百万円、営業利益が65.4%減の1億98百万円、経常利益が65.3%減の3億14百万円、親会社株主帰属四半期純利益が78.3%減の1億50百万円だった。

 計画を下回り2桁減益で着地した。売上面では第1四半期に一部顧客の予算縮小などの影響を受け、利益面ではNTTドコモとの資本業務提携に関連する費用が発生したことも影響した。

 マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、売上高が0.0%増の192億42百万円、営業利益が88.1%減の75百万円だった。売上面は主力のパネル調査が堅調だったが、カスタムリサーチが一部顧客の予算縮小の影響で低調だった。利益面は売上高が計画を下回ったことに加え、投資費用の増加なども影響した。

 マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、売上高が2.5%増の74億82百万円、営業利益が1.6%減の10億98百万円だった。リサーチ事業において医療領域のカスタムリサーチが回復傾向だが、CRO(医療品開発業務受託機関)が大型案件の反動で低調だった。

 ビジネスインテリジェンス事業は、売上高が17.4%増の40億14百万円、営業利益が61.6%増の3億55百万円だった。大幅増収増益だった。旅行業界を中心にSI案件の受注が好調だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が143億06百万円で営業利益が1億98百万円、第2四半期は売上高が164億33百万円で営業利益が13億32百万円だった。営業利益を前年比で見ると、第1四半期は65.4%減益、第2四半期は5.1%減益で、第2四半期は減益幅が縮小した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年6月期比5.1%増の645億円、営業利益が5.7%増の40億円、経常利益が5.6%増の43億円、親会社株主帰属当期純利益が14.4%減の30億円としている。配当予想は23年6月期比1円増配の43円(期末一括)としている。予想配当性向は54.6%となる。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益38%、経常利益38%、親会社株主帰属当期純利益34%と低水準だが、パネル調査が堅調に推移しており、消費財メーカーやヘルスケアのリサーチ事業も業績改善傾向としている。NTTドコモとの資本業務提携によるシナジー効果も期待され、積極的な事業展開により通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は23年12月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。2月7日の終値は1720円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円80銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の43円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS808円17銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約695億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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