【株式市場特集】株式分割銘柄:権利取り・値幅取りでダブル・トリプルの株主還元を狙う

■株式分割銘柄19社、権利確定迫る!ダブル・トリプル還元策も期待

 今週のコラムは、株式分割銘柄に注目することにした。株式分割銘柄は、今年9月26日を権利付き最終売買日とする銘柄まで48社を数えるが、なかでも株式分割の権利を取るか取らないかが即断を迫られるのが、1週間後の5月27日に権利付き最終売買日を迎える5月の株式分割銘柄と、39日後の6月26日に最終売買日を迎える6月の株式分割銘柄の合計19社である。すでに分割を発表済みの銘柄は、増配、自己株式取得などのダブル・トリプルの株主還元策を予定している銘柄も多く、このサポートによる「ビフォー・アフター」を先取りして権利取り・値幅取りなどで対応するのも有効と期待したい。

■小型株中心の5月銘柄は業績再上方修正、再増配を同時発表ケースも

 5月29日に株式分割の権利付き最終売買日を迎える銘柄は、小型株中心となりコード番号順に上げると佐藤渡辺<1807>(東証スタンダード)、IGポート<3791>(東証スタンダード)、ニーズウェル<3992>(東証プライム)、テンダ<4198>(東証スタンダード)、Macbee Planet<7095>(東証グロース)、GENDA<9166>(東証グロース)の6銘柄となる。このうちIGポート(1対4分割)が、今5月期業績の再上方修正と再増配、GENDA(1対2分割)が、成長戦略のアミューズメント施設のM&A件数を同時発表した。IGポートは、次期5月期も推進中の中期経営計画で続伸を予想しており、GENDAも成長戦略を推進することから分割権利取り妙味を示唆している。

 テンダは、株式分割発表に先立って今5月期業績の上方修正と増配を発表し、生成AI関連株人気も内包している。またMacbeeも、同じく株式分割発表に先立って目下集計中の4月期業績の再上方修正を発表し、その4月期決算の発表を5月30日に予定している。佐藤渡辺は、逆に株式分割と前3月期業績の下方修正を同時発表し株価は下方反応したが、その後5月10日の3月期決算発表では今期配当を80円と予想し、1対2分割の株式分割を勘案した年間配当利回りは4.36%となり、株式分割・配当のダブルの権利取りが有望となる。またニーズウェルは、値ごろが3ケタと低位にもかかわらず昨年5月末に続く株式分割となっている。

■6月銘柄は主力株中心にトリプルセット銘柄、ダブルセット銘柄が目白押し

 6月26日を権利取り最終最終日とする株式分割銘柄は、なお6月期決算会社・12月期決算会社の業績発表が続く関係で増加する可能性があるが、現時点で6月18日を基準日にするゲンキードラッグ<9267>(東証プライム)を含めて主力株中心に19銘柄を数える。そのなかで最注目は、株式分割と増配、自己株式取得を同時発表したトリプルセット銘柄となり、コード番号順に上げると日鉄ソリューションズ<2327>(東証プライム)、日本光電<6849>(東証プライム)、芝浦電子<6957>(東証スタンダード)、フルヤ金属<7826>(東証プライム)、アシックス<7936>(東証プライム)、三井物産<8031>(東証プライム)となる。アシックスは、これに株主優待制度の拡充がオンして株価は、ストップ高する好反応となった。

 ダブルセット銘柄では、株式分割と自己株式取得で日立製作所<6501>(東証プライム)、西本Wismettac<9260>(東証プライム)、株式分割と増配でクレスコ<4674>(東証プライム)、ミガロホールディングス<5535>(東証プライム)、タムロン<7740>(東証プライム)、ゲンキードラッグ<9267>(東証プライム)と続く。変わり種では株式分割と中期経営計画を同時発表した勤次郎<4013>(東証グロース)は、ストップ高で反応し、歯愛メディカル<3540>(東証スタンダード)は、株式分割と株主優待制度の新設を同時発表した。足元の株価は、西本Wismettacが年初来安値を更新し逆行安しているが、クレスコ、ミガロHD、フルヤ金属、タムロン、アシックス、三井物産などが年初来高値、上場来高値水準にあり、値幅効果も期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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