ティムコは24年11月期業績予想を下方修正、増配予想は据え置き

(決算速報)
 ティムコ<7501>(東証スタンダード)は7月10日の取引時間終了後に24年11月期第2四半期業績(非連結)を発表した。減収減益だった。フィッシング事業はコロナ禍における需要からの反動減で在庫調整が継続し、アウトドア事業は記録的な暖冬の影響を受けた。そして通期業績予想を下方修正(7月9日付)した。円安に伴う売上総利益率低下や、EC分野および海外展開の強化に向けた費用の増加なども影響する見込みだ。ただし増配予想は据え置いている。24年11月期は減益予想となったが、積極的な事業展開で25年11月期の収益改善を期待したい。株価は安値圏だが、7月9日付の業績予想下方修正に対する反応は限定的だった。1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値固め完了して出直りを期待したい。

■24年11月期2Q累計減収減益、通期業績予想を下方修正

 24年11月期第2四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比6.2%減の17億01百万円、営業利益が85.8%減の17百万円、経常利益が83.5%減の20百万円、四半期純利益が97.0%減の2百万円だった。減収減益だった。フィッシング事業はコロナ禍における需要からの反動減で在庫調整が継続し、アウトドア事業は記録的な暖冬の影響を受けた。

 フィッシング事業は売上高が10.9%減の4億72百万円、営業利益(全社費用等調整前)が55.1%減の44百万円だった。ルアー用品のフィッシングロッド(釣竿)など一部商品の売上が増加したものの、コロナ禍におけるアクティビティとしての需要の反動減で販売店における在庫調整が継続し、ルアー用品、フライ用品とも全体として販売が苦戦した。

 アウトドア事業は売上高が4.2%減の12億20百万円、営業利益が43.6%減の66百万円だった。春夏物衣料はスコーロン(防虫衣料)などの販売が堅調に推移したが、記録的な暖冬の影響で第1四半期(12月~2月)の防寒衣料や防寒小物の販売が低迷し、仕入原価上昇による売上総利益率低下なども影響した。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積の縮小により売上高が12.6%減の9百万円、営業利益が19.6%減の4百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億39百万円で営業利益が38百万円の損失、第2四半期は売上高が9億62百万円で営業利益が55百万円だった。第2四半期は営業黒字転換した。

 通期の業績(非連結)予想については7月9日付で下方修正して、売上高が23年11月期比横ばいの34億03百万円、営業利益が61.3%減の45百万円、経常利益が58.1%減の49百万円、当期純利益が81.5%減の20百万円とした。配当予想は据え置いて、第55期記念配当5円50銭を含めて23年11月期比5円50銭増配の17円50銭(期末一括、普通配当12円+記念配当5円50銭)としている。

 前回予想(24年4月10日付の公表値、売上高35億74百万円、営業利益1億33百万円、経常利益1億37百万円、当期純利益83百万円)に対して、売上高を1億71百万円、営業利益を88百万円、経常利益を88百万円、当期純利益を63百万円、それぞれ下方修正した。上期の販売低迷に加え、円安に伴う売上総利益率低下や、EC分野および海外展開の強化に向けた費用の増加なども影響する見込みだ。

 なお、修正後のセグメント別の売上高計画は、フィッシング事業が23年11月期比4.9%減の8億59百万円、アウトドア事業が1.8%増の25億24百万円、その他が4.1%減の19百万円としている。

 事業別の重点取り組みとして、フィッシング事業では、キャンプ地など他のアウトドア・アクテビティとの融合により釣り人口の拡大を促すとともに、動画配信・SNSプロモーションを活用した販売促進を強化して収益力向上を図る。アウトドア事業では、自社アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の認知度向上と顧客数の増加を目指し、商品開発力の強化、直営店舗の事業効率化、販売チャネルの見直しなどにより収益力向上を図る。さらに、フィッシング事業とアウトドア事業の相互の有機的連携を強化して、総合力の向上を推進する方針だ。

 24年11月期は減益予想となったが、積極的な事業展開で25年11月期の収益改善を期待したい。

■株価はモミ合い上放れ

 株価は安値圏だが、7月9日付の業績予想下方修正に対する反応は限定的だった。1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値固め完了して出直りを期待したい。7月10日の終値は739円、今期予想PER(会社予想のEPS8円12銭で算出)は約91倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円50銭で算出)は約2.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS1886円02銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■電気刺激で塩味1.5倍、食事の楽しみと健康を両立  キリンホールディングス<2503>(東証プラ…
  2. ■2026年初頭以降に各地域で発売予定、累計130万台の系譜を継承  トヨタ自動車<7203>(東…
  3. ■月間20両製造可能、600両超の受注案件に対応  日立製作所<6501>(東証プライム)は9月9…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る