インテージHDグループのインテージヘルスケアと新潟大学がAIを活用したメガリン拮抗薬の開発に関する共同研究を開始

■メガリン拮抗薬の創製を目指し、AIによる化合物探索と評価実験を実施

 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)グループのインテージヘルスケア(本社:東京都千代田区)と国立大学法人新潟大学(本部:新潟県新潟市)は7月25日、AIを活用したメガリン拮抗薬(※1)の開発に関する共同研究を開始したと発表。

 新潟大学大学院 医歯学総合研究科 腎研究センター 機能分子医学講座の斎藤亮彦教授らは、急性腎障害(急性腎障害は、先進国において年間約60万人の死亡、慢性腎不全または慢性腎臓病(CKD)進行に関与している)の発症に関わるメガリンを標的とした創薬研究に取り組んでおり、2024年5月にはメガリンの立体構造とリガンド(※2)結合様式を解明するなど、先進的な成果を公表している(※3)。

 今回の共同研究では、インテージヘルスケアがメガリンの立体構造やリガンド情報を用いて、AI等を使用したインシリコスクリーニング技術により新規化合物の探索・デザインを行いる。新潟大学ではデザインされた低分子化合物の評価実験等を行うことで、メガリンを標的とした拮抗薬の創製を目指していく。

 インテージヘルスケアは、理論創薬研究所、アフィニティサイエンスとともに、AIによる新規化合物デザイン、インシリコスクリーニングによる候補化合物探索など、実践的なAI創薬の活用を製薬企業および大学などの研究機関と進めている。この共同研究はインテージヘルスケアが実施する「インテージヘルスケアAI創薬アカデミックプログラム(INTAGE Healthcare AI drug discovery Academic Program:IAAP)」の一環として実施するものである。

※1=メガリン拮抗薬:
 メガリンとは、腎臓の近位尿細管細胞に発現する受容体タンパク質で、腎臓に取り込まれる腎毒性物質の「入り口」を司る役割を果たしており、慢性腎臓病(CKD)および急性腎障害(AKI)の予防や治療のための重要な創薬標的として注目されている。メガリン拮抗薬は、腎毒性薬剤のメガリン結合を阻害するもので、広範囲の腎疾患に適応される可能性がある。
※2=リガンド:
 化合物のうち、特定のタンパク質を受容体として特異的に結合する性質を持った物質である。
※3=研究成果は、科学誌Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaに掲載されている(doi: 10.1073/pnas.2318859121)
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る