【マーケットセンサー】オーナーチェンジが加速する「Jリーグ」、新たな成長段階へ

■エディオン、サイバーエージェントなど大手企業が参入、クラブ経営に新風

 Jリーグは世界のスポーツ産業の中で急速な成長を遂げている。2023年度のJリーグの売上は前期比11%増の1517億円で過去最高を記録した。外資の参入や株式上場解禁に伴い、クラブ経営に新たな展開が見られる。特に注目されるのは、J1リーグで優勝争いを繰り広げているサンフレッチェ広島とFC町田ゼルビアである。両クラブともオーナーチェンジを経ており、新たな経営体制のもとで躍進を遂げている。

 サンフレッチェ広島は、家電量販店のエディオン<2730>(東証プライム)が2023年6月にホームスタジアムの命名権を取得し、7月には第3者割当増資を引き受け、約76%の議決権を保有する大株主となった。一方、FC町田ゼルビアは2018年10月にサイバーエージェント<4751>(東証プライム)のグループ会社となり、高校サッカーの名将・黒田剛氏を監督に迎えて、昨シーズンJ2優勝、今シーズンJ1で旋風を巻き起こしている。両クラブは現在、勝ち点55で並び、得失点差わずか4点の僅差で首位争いを展開している。

 Jリーグでは、他のクラブでもオーナーチェンジが進んでいる。昨シーズン初優勝の神戸は楽天グループ<4755>(東証プライム)、鹿島アントラーズはメルカリ<4385>(東証プライム)、FC東京はMIXI<2121>(東証プライム)が大株主となっている。湘南ベルマーレはRIZAPグループ<2928>(札証アンビシャス)グループと三栄建築設計の合弁会社が経営権を取得し、J3首位の大宮アルディージャは世界的エナジードリンクメーカーのレッドブルが株式を取得した。

 このようなオーナーチェンジと大手企業の参入は、Jリーグクラブの経営に新たな視点と資金をもたらしている。クラブの経営基盤強化や戦力補強につながり、リーグ全体の競争力向上に寄与している。同時に、こうした大株主企業の露出増加が新たな株価材料となる可能性も指摘されている。Jリーグの成長と共に、スポーツビジネスにおける投資機会が広がりつつあると言えるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る