【編集長の視点】タカショーは続落も巣ごもり需要再現で続伸業績を見直し押し目買い妙味

 タカショー<7590>(東1)は、前日21日に18円安の756円と変わらずを挟み4営業日続落して引けた。日経平均株価が、591円安と大幅続落し今年3月24日以来の安値となってことから、3月5日につけた年初来安値670円から100円幅の底上げした同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただこの年初来安値からの上げ幅の3分の1押し水準まで調整したこととなり、テクニカル的にも下値は押し目買いに一考余地がある。ファンダメンタルズ的にも全般相場急落は、世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大を引き金とし、国内でも大阪府に続き東京都、兵庫県、京都府などが緊急事態宣言の再々発出要請を検討しており、これに伴う巣ごもり需要が同社のガーデニング用品の販売拡大につながる展開が想定されるためだ。実際に同社の前2021年1月期業績は、ガーデニング用品への巣ごもり需要で期中に3回も上方修正され、配当も増配されており、今2022年1月期業績にも連想が働こう。

■量販店向けやARアプリ効果も加わってeコマース向けも好調

 同社の今2022年1月期業績は、純利益が9億円(前期比5.6%減)と前期の過去最高から減益転換するが、売り上げは196億8000万円(前期比6.5%増)、営業利益11億9500万円(同3.3%増)、経常利益11億9000万円(同3.3%増)と続伸が見込まれている。コロナ禍のなか「STAY HOME」要請で前期第2四半期以降、ガーデニング用品に巣ごもり需要が拡大し、量販店向け、eコマース向けの売り上げが増加、ガーデン・エクステリア業界向けのwebプラットフォーム「GARDEN STORY」やAR(拡張現実)アプリ「メタルガーデン」などのEC展開を強化することなどが要因となる。

 純利益は、前期に海外子会社2社の清算による為替換算調整益7472万円が一巡することから減益転換予想となっている。ただ同社の前2021年1月期業績は、昨年8月、12月、今年2月と3回も上方修正されて純利益は過去最高を更新、そのたびに配当も増配されており、この再現も想定される。とくに前期は、昨年5月に「GARDEN STORY」が過去最高のページビューとなった経緯もあり、ガーデニング・シーズン入りでこの動向が注目される。なお今期配当は、年間20円(前期実績20円)を継続予定である。

■PER12倍の割安修正で昨年の2.6倍化相場の再現も期待

 株価は、コロナ禍で突っ込んだ昨年3月の昨年来安値350円から下げ過ぎ修正で底上げ、昨年8月の第1回目の前期業績の上方修正でストップ高し、巣ごもり関連株人気で昨年来高値968円まで2.76倍化した。同高値からは、業績の再上方修正、再々上方修正でも利益確定売りが交錯し、今期業績の発表では市場コンセンサスを下回るとして年初来安値670円へ調整、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大とともに25日移動平均線水準までリバウンドした。足元では、この25日線を下放れたが、年初来安値からの上昇率の3分の1押し水準と調整進展も示唆している。PERは12倍台と割安であり、昨年の大化け相場の再現期待を高め、まず年初来高値902円抜けから昨年来高値968円を目指そう。(日本インタビュ新聞編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る