三菱電機、プラスチックリサイクルの効率化が可能なマイクロ波加熱の新たな制御技術を開発

■マイクロ波の集中照射と均一加熱により、加熱時間を約3分の1に短縮し低消費電力化を実現

 三菱電機<6503>(東証プライム)は11月21日、プラスチックケミカルリサイクル用のマイクロ波加熱技術を刷新し、効率的な制御技術を開発したと発表。この技術は、特定領域へのマイクロ波集中照射と均一加熱を可能にし、従来方式に比べ加熱時間を約3分の1に短縮する。リサイクル工程において、これまで課題とされてきた加熱ムラを解消し、低消費電力化にも寄与する。従来の外部加熱方式やマイクロ波加熱技術と比較して高効率であり、再生原料の品質向上を実現する。

 開発された制御技術は、金属で囲まれた狭い空間内でのマイクロ波の強度と広がりを調整可能とし、反射波の影響を低減する独自構造を採用した。また、世界初となるSIW共振器を用いた電磁波吸収板により、付加材料を不要とし経年劣化を抑制。さらに、従来の方式では熱変換により消費されていた電力を不要とする新たな回路設計により、低消費電力化を実現した。これにより、リサイクルの効率向上と装置の長寿命化が図られる。

 同技術は、廃棄物の削減や資源の有効活用を通じて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する。また、新たな原料採掘の削減やCO2排出量の抑制を可能とする。三菱電機は2024年11月開催の「マイクロウェーブ展2024」で詳細を発表し、2030年までの製品化を目指す。今後、リサイクル関連企業と連携し、技術の普及と環境保護への取り組みを強化する方針。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る