【どう見るこの相場】「株券を枕に越年」作戦では12月末を基準日に株式分割予定のバリュー株も要リストアップ

■年末年始相場、正念場!地政学リスクと経済指標が投資判断を左右

 2024年相場も残り11日間である。こうも押し詰まってくると、どの投資家も同じような悩みに向き合わされる。「株券を枕に越年」するかどうかである。これは、今週相次ぎ開催される日米中央銀行の金融政策決定会合を手掛かりに年内なお一回転、二回転と算段している力自慢の投資家でさえ、勝ち逃げか負け残りを含めてプレッシャーになるはずだ。投資セオリーでは、大型連休を前にしたら手持ちのポジションは、売りでさえ買いでさえ手仕舞うのが大原則である。信用取引で買った引かれ玉なら損失覚悟で売り手仕舞うことに異論はない。しかしやや利が乗った銘柄となると、年内受け渡し最終日の大引け直前まで踏ん切りがつかないことはままありうる。

■トランプ2.0時代の幕開け 世界経済と日本株の行方は?

 すでに内外大手証券や証券ジャーナリズムからは2025年の相場観測が公表され、2025年末の日経平均株価は、着実な経済成長や金利低下を追い風に、今年7月につけた上場来高値4万2224円を上抜き、4万5000円~4万6000円を取りに行くやや強気な上値目標も提示されている。この想定通りなら「株券を枕に越年」が正解になる。仮に大納会に向け相場が波乱展開するようなら、そこは押し目買い好機ともなるはずだ。

 しかしである。正月休みの5日間に何が起こるか分からない。例えば地政学リスクひとつをとっても、韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突如、非常戒厳宣言を発令して弾劾訴追案が可決され、シリアでアサド政権が一夜して崩壊するケースが続いた。また来年1月20日の米国のトランプ次期大統領の就任式を前に、ウクライナ・ロシアが停戦交渉を有利に運ぼうとして戦闘を激化させそうだし、イスラエルのガザ・シリア攻撃など中東情勢の緊迫化も予想される。それでも足元の日米株価はショック安となることはないが、来年1月20日にはトランプ2.0政権のスタートする。新年も、インフレはこのまま収まるのか、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げペースは、マーケットの期待通りに推移するのかも、心許ない。

■4万円台奪還なるか?日経平均、年末年始はこう動く

 こうした気迷いを映してか、足元の前週の日経平均株価は、前日比プラスが続き一時4万円台にタッチしたものの、5営業日のうち、4営業日が朝高のあと大引けにかけ上昇幅を縮小させる日足でいう陰線を引き、前週末13日には378円安と5営業日ぶりに反落した。不安心理が尾を引き3万9000円台上位では利益確定売りや戻り売りに押され上値が重くなったり、失速するなどを繰り返しているのである。ただこの現金ポジションを高める慎重スタンスは、逆にいえば待機資金がそれだけ市場に滞留している裏返しでもある。この待機資金が、いつ動くのか、年内の日米中央銀行イベント明けか、それとも年明けの正月休み中に地政学リスクの一段の悪化がなかったことを確認したあとなのか、しかも投資対象は株式か債券か金などかも注目されることになる。

 この待機資金が、すでに動いていることを窺わせる銘柄もある。GMOメディア<6180>(東証グロース)である。株価は、前週3日間で2日間の連続ストップ高を交えて約1500円も急騰して年初来高値を更新し、前週末には5日ぶりに反落したが、それでも5000円台の大台はキープした。同社株は12月期決算会社で、今年11月6日に今期配当の175円への増配と自己株式取得を発表しており、期末接近とともに配当権利取りが再燃したことが株価急騰の引き金となった。

■権利取りのカギ、12月市場に割安株続出

 当コラムでは、12月2日付けで12月期決算会社のうち業績を上方修正して配当も増配する銘柄や自己株式取得を並行させる銘柄を取り上げたが、待機資金の一部が、年内最後の「株券を枕に越年」にトライするとしてこの権利取りに動いているのかもしれないのである。この推測が当たらずとも遠からずとなるなら、権利取りで注目されるもう一つのセクターが浮上する。12月26日を権利付き最終売買日とする株式分割銘柄である。

 26日に権利付き最終日を迎える株式分割銘柄は、20銘柄を数える。この20銘柄のうち6銘柄が、業績上方修正、増配、自己株式取得、株主優待制度拡充などのダブルセット、トリプルセット、フルセットを同時発表しており、12銘柄がPER評価が市場平均を下回る割安株である。越年作戦として株式分割の権利取りも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■「ちきゅう」を投入、令和8年1月から2月にかけて実証  内閣府戦略的イノベーション創造プログラム…
  2. ■人工知能基本計画が始動、利活用から開発への循環促進、世界最先端のAI国家を標榜  政府は12月2…
  3. ■222社分析で売上2兆円台復帰、利益は1,435億580万円へ倍増  東京商工リサーチ(TSR)…
2026年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

ピックアップ記事

  1. ■総選挙後に本番、米・卵関連株など食料品銘柄に再評価期待  消費税減税をめぐる関連株の動向が、過去…
  2. ■円安・円高が日替わり、内外市場で一波乱二波乱の可能性  内外のマーケットが激動含みである。これが…
  3. ■地方銀行:収益改善、昨年11月の業績上方修正が寄与  昨年来高値更新銘柄の1割超を占める銀行株は…
  4. ■超短期決戦の総選挙で市場動向が政治判断に影響  いよいよ衆議院議員選挙だ。みょう27日に公示され…
  5. ■AI以外に目を向けよ、割安株に潜む上昇機会  1980年代のバブル相場では、産業構造改革で「軽薄…
  6. ■利上げと解散総選挙、日本経済の分岐点迫る  今週は、運命の1月22日、23日が控えている。1月2…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る