【編集長の視点】ブランジスタはもみ合いも新会社設立で業績期待を高めて直近IPO株買いが再燃余地

編集長の視点

ブランジスタ<6176>(東マ)は、77円高の1477円と7営業日続伸して始まったあと、117円安と下ぶれるなど、前日4日終値を挟んでもみ合いを続けている。同社株は、10月5日につけた年初来安値454円から前日ザラ場につけた上場来高値1509円まで一気に3.3倍の大化けを演じ、目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ今年10月27日に発表した新会社を設立しての新事業を展開は、大きく業績押し上げるとの期待も続いており、11月中旬に予定されている9月期決算発表を先取りして直近IPO株買いが増勢となる展開も想定されている。

■ヒットメーカーの秋元康氏を総合プロデューサーに新ゲーム・アプリを展開

新会社は、国内唯一の電子広告メディアの出版社で「電子雑誌NO.1宣言」を提唱する同社が、これまでにない斬新なオンラインゲーム・スマートフォンアプリを展開することを目的に、今年10月27日に100%子会社としてブランジスタゲーム(東京都渋谷区、資本金4400万円)して設立した。同社の見城徹会長(幻冬舎社長)が取締役に就任するほか、アイドルグループ「AKB48」などの数々のヒットを仕掛けた作詞家の秋元康氏を総合プロデューサーに迎え、従来のロールプレインゲームやバトルゲーム、パズルゲームなどを超えたさまざまなテーマやジャンルでプレイできるBtoBtoCの新ビジネスモデルの確立を目指す。2016年9月期業績へのインパクトは、判明次第に公表するとしている。

一方、目下集計中で11月中旬に発表予定の前2015年9月期業績は、IPO時に今2015年9月期業績は、売り上げ21億3100万円(前期比24.8%増)、経常利益3億円(同35.8%増)、純利益1億7100万円(同21.0%増)と連続の2ケタ増収増益と予想され、続く今2016年9月期業績も、売り上げ24億7700万円(今期予想比16.2%増)、経常利益4億5000万円(同50.0%増)、純利益2億5700万円(同50.2%増)と見込まれていた。

2007年に旅行情報雑誌『旅色』を創刊し現在、11誌の電子雑誌を発行しており、とくに『旅色』は、国内宿泊施設数を5万3172軒、国内飲食店77万8269店の情報を掲載していることなどから月間読者数は100万人と、既存の活字媒体の雑誌を圧倒している。電子雑誌へ掲載する広告掲載料、電子雑誌の制作を受託する制作受託料、企業向けにウェブサイトの構築・運営を行うソリューションサービスの業務受託料などが好調に推移していることが業績高成長要因となっているもので、ここに新会社設立、新事業展開が上乗せとなってくるもので、9月期決算の発表が要注目となる。

■短期3.3倍もスマホ関連株ではなお値ごろ妙味が潜在し初押しは買い有利

株価は、公開価格450円に対して647円で初値をつけ654円高値まで買い進まれたが、全般相場急落の波及もあって上場来安値454円まで突っ込んだ。同安値から新会社設立で3.3倍の急伸となっているが、まだ値ごろ的には1000円台央をクリアしたばかりで新興市場のスマホ関連株のなかでは低位株に位置する。決算発表を先取りすれば、相場格言通りに「初押しは買い」で、なお上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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