【編集長の視点】リビン・テクノロジーズは業績上方修正・自己株式取得を手掛かりに割安株買いが再燃

■ゴールデンクロスで上昇トレンド転換、株価4000円台視野

 リビン・テクノロジーズ<4445>(東証グロース)は、前日3日に105円高の3135円と急反発して引け、2月6日につけた年初来高値3250円を射程圏に捉えた。同社株は、今年5月14日に今2025年第2四半期(2024年10月~2025年3月期、2Q)累計決算の開示とともに、今9月期通期業績の上方修正と自己株式取得を発表しており、これを手掛かりに割安株買いが増勢となった。テクニカル的にも25日移動平均線が75日移動平均線を下から上にブレークするゴールデンクロス(GC)を示現しており、上昇トレンド転換を示唆したとしてフォローの材料視されている。

■クライアント数が2127社と増加に転じ2QのARPUは過去最高

 同社の今9月期通期業績は、営業収益を期初予想通りに36億円(前期比0.8%増)としたが、営業利益を期初予想より2億2000万円、経常利益を1億8000万円、純利益を1億5000万円それぞれ引き上げ、営業利益3億7000万円(同78.7%増)、経常利益3億3000万円(同57.8%増)、純利益2億5000万円(同2.19倍)と見込み、期初の減益予想が大幅増益に方向性が変わる。主力の不動産査定・売却・買取などのDXプラットフォーム事業「リビンマッチ」に第2の主力事業候補の外壁塗装DX事業「ぬりマッチ」、住宅展示場DX事業「メタ住宅展示場」も加わり、2Q(3カ月間)の月間平均クライアント数が、今期1Q(2024年10月~12月期)の2073社から2127社へと増加に転じ、クライアント当たりの月間平均営業収益のARPUも、同じく13万2524円から14万6801円へ伸びて過去最高となり、「リビンマッチ」の広告効果が大きく改善したことが要因となった。

 自己株式取得は、株主還元の充実を図るとともに、経営環境の変化に対応して機動的は資本政策の遂行をすることを目的に、取得株式総数5万3000株(発行済み株式総数の3.94%)、取得総額1億4800万円、取得期間を今年5月16日から9月22日までとして推進中である。このほか株主還元策では、昨年12月に株主優待制度の新設を発表しており、同社株式を200株以上保有する株主にQUOカードを年間3万円分を年2回に分けて贈呈する。

■GC示現でPER16倍の割安修正に弾みをつけ年初来高値調整幅の倍返しも有望

 株価は、昨年12月の株主優待制度新設で連続ストップ高と急伸し、年初来高値3250円まで上値を伸ばした。今年4月のトランプ関税による世界同時株安時には年初来安値2128円へ突っ込んだが、売られ過ぎとしてリバウンドし、今期業績の上方修正、自己株式取得もフォローして3000円大台を回復し、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を鮮明化させた。PERは16.8倍、優待制度利回りは4.78%となお割安であり、まず年初来高値を奪回し、年初来高値から年初来安値への調整幅の倍返しで4000円大台へのチャレンジも有望となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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