【注目銘柄】ホクリヨウは業績再上方修正、再増配を見直し割安株買いが再燃、更なる業績修正の可能性も

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■業績と配当を二度上方修正、純利益は過去最高を連続更新へ

 ホクリヨウ<1384>(東証スタンダード)は、前日11日に11円高の1425円と変わらずを含め3営業日ぶりに反発して引け、今年2月13日につけた昨年来高値1479円を視界に捉えた。同社株は、今2025年3月期業績を昨年11月、今年2月と2回上方修正し、つれて今期配当の2回の増配も発表しており、割安修正期待のバリュー株買いが再燃した。この業績修正は、昨年10月に1例目の鳥インフルエンザ感染症の感染が確認されて以来、今年1月19日までで、全国で693万羽の採卵鳥が殺処分され、鶏卵相場が上昇していることが要因となっており、鳥インフルエンザ感染症の季節が、まだ続き足元の鶏卵相場がなお高値水準で推移していることから、3回目の業績上方修正の可能性もあるとして支援材料視されている。

■鳥インフルエンザの感染拡大で鶏卵相場が反転し純利益は連続過去最高

 同社の今3月期業績の上方修正は、1回目は純利益のみにとどまった。期初予想の9億6000万円を15億2200万円(前期比8.1%減)に引き上げたもので、鳥インフルエンザに感染した採卵鶏を殺処分したことによる令和6年度「へい殺畜等補助金」を特別利益7億3100万円として計上したことが要因となった。一方、今年2月の2回目の上方修正は、鳥インフルエンザの感染拡大で鶏卵相場が上昇したことが要因となった。今期第3四半期の鶏卵相場は、北海道Mサイズで1キログラム=249.19円(前年同期比77.52円安)、東京Mサイズで238.99円(前年同期比65.13円安)と下落したが、第2四半期のそれぞれ226.82円、215.99円からは上昇した。このため今期業績は、期初予想より売り上げを1億2000万円、営業利益を3億6000万円、経常利益を3億7400万円、純利益を昨年11月の上方修正値より4億5200万円引き上げ、売り上げ193億円(前期比2.1%増)、営業利益17億3000万円(同22.9%減)、経常利益18億400万円(同22.1%減)、純利益19億7200万円(同19.2%増)と見込んだ。営業利益と経常利益はまだ前期比減益となるが、純利益は期初の減益転換予想が増益となり、連続の過去最高更新となる。なお足元の鶏卵相場は、320円レベルで推移している。

 配当は、配当政策を最低配当性向を30%としたことに伴い、1回目の業績上方修正では40円から54円へ増配し、2回目の業績上方修正ではさらに70円(前期実績40円)に引き上げ再増配を予定している。

■PER6倍、PBR0.9倍、配当利回り4.9%の修正で上場来高値目指す

 株価は、昨年11月の1回目の業績上方修正・増配に今年1月の鳥インフルエンザ感染確認が続いて1300円台に上値を伸ばし、2回目の業績上方修正・増配では窓を開けて急伸し、昨年来高値1479円まで買い進まれた。足元では高値調整となっているが、PERは6.1倍、PBRは0.97倍、配当利回りは4.91%と割安である。昨年来高値奪回から2018年1月の上場来高値1680円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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