【株式市場特集】社名変更ラッシュ!31社の変革カウントダウン、注目はバリュー株

■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地

 今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予定している会社は、31銘柄を数える。そのなかには、社名変更を前に今期業績を下方修正したアゲインストな銘柄も含まれるが、多くが低PER・PBR、高配当利回りのバリュー株で占められている。なおトランプ流の「移行期間」の継続懸念が尾を引きそうななか、独自材料で独自人気が期待される社名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地がありそうだ。

■4月変更会社の11銘柄にはフルセット・ダブルセット発表の割安株も突出

 4月に社名変更を予定している銘柄は18社あり そのなかで低PER・PBR、高配当利回りとなっているバリュー株は11銘柄を数える。コード番号順にあげると田中建設工業<1450>(東証スタンダード)、DM三井製糖ホールディングス<2109>(東証プライム)、大成ラミック<4994>(東証スタンダード)、ユシロ化学工業<5013>(東証スタンダード)、サトーホールディングス<6287>(東証プライム)、北越工業<6364>(東証プライム)、フクシマガリレイ<6420>(東証プライム)、ユーシン精機<6482>(東証スタンダード)、メルコホールディングス、大興電子通信<8023>(東証スタンダード)、ヒガシトゥエンティワン<9029>(東証スタンダード)と続く。

 このうち社名変更発表後にユシロ化学が、業績の上方修正と増配、自己株式立会外買付取引を発表し、田中建設も株式分割と増配、自己株式立会外買付取引を発表したフルセット銘柄で、大成ラミックは、業績上方修正と増配を発表のダブルセット銘柄となっている。またDM三井製糖とサトーHDは、ともに今3月期業績を2回上方修正し、ガリレイは株式分割を実施し、北越工業は自己株式取得を推進中で、ヒガシトゥエンティワンは、前週末14日に自己株式立会外買付取引を発表したばかりである。ユシロ化学の配当利回りは4.78%と最も高く、PERは6.7倍と最も割安となっている。PBRが1倍を割っている銘柄も多く、社名変更後の修正高期待を高めよう。

■今年5月以降の8銘柄も株高ストーリーの上乗せで注目度もアップ

 今年5月以降、来年4月までに社名変更を予定している銘柄も13社を数えるが、このうち注目されるバリュー株は8銘柄となる。コード番号順にあげるとRS Technologies<3445>(東証プライム)、アイ・ピー・エス<4335>(東証スタンダード)、日本ガイシ<5333>(東証プライム)、淀川製鋼所<5451>(東証プライム)、三井金属<5706>(東証プライム)、ダイハツディーゼル<6023>(東証スタンダード)、コンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>(東証プライム)、マミーマート<9823>(東証スタンダード)となり、待ち伏せ買い余地を示唆している。

 このなかで株高ストーリの上乗せで浮上しそうなのは、まずダイハツディーゼルだろう。同社は、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)に完全子会社化されたダイハツ工業の保有株が今治造船(愛媛県今治市)に譲渡され、自己株式公開買い付け(TOB)も実施したほか、今3月期業績を2回上方修正し増配も予定している。トランプ大統領が、米国の造船業再生を目指していることから、今後の船舶用エンジンへの追い風も期待できそうだ。また三井金属は、今期業績を3回上方修正し増配もしており、PERは4.4%と超割安となる。このほか業績上方修正に増配が加わった淀川製鋼の配当利回りは5.7%に高まる。コンコルディアFGは、バブル経済崩壊後の金融業界再編のなか横浜銀行、東日本銀行、神奈川銀行を経営統合する経営改革を進めてきたが、今年10月1日に原点復帰で「横浜フィナンシャルグループ」に社名変更する。これに先立って業績の上方修正・増配、自己株式取得・消却も進めており、割安地銀株のなかで存在感を発揮しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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