スズキ、作業分析AI「Ollo Factory」を国内工場に正式導入

■相良工場に作業分析AI導入、リアルタイム異常検知で不良流出防止

 スズキ<7269>(東証プライム)は12月22日、作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を国内工場に導入したと発表した。2025年7月に相良工場の組み立て工場、同年12月にエンジン工場で正式導入した。スズキスマートファクトリー構想の一環として、現場のデジタル化とリアルタイム監視により、作業分析・教育・品質管理を高度化し、生産性向上と不良流出防止を狙う。

 導入の背景には、国内工場が「マザー生産拠点」として担う標準化と技術継承の役割がある。作業のばらつきを可視化し、熟練者の技能や標準作業手順の定着を支援するほか、作業手順の自動抽出やムダの洗い出しで作業効率化と品質安定化の両立を図る。リアルタイム異常検知でネジの締め忘れなどの作業抜け・ミスをその場で検出し、流出抑止につなげる。

 主なポイントは、スマートフォンやタブレットで撮影した作業動画をAIが自動分割・解析し、手順書の自動作成や最適人員配置の検討に活用できる点だ。自動車組立工程など死角になりやすい箇所は、ウェアラブルカメラ映像で新人と熟練者の動作差やつまずきポイントを詳細に分析し、教育と改善の精度を高める。今後は国内工場へ順次拡大し、稼働実績を踏まえて海外拠点への展開も視野に、品質・生産性レベルの底上げを進める。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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