【編集長の視点】アイリッジは反落も利用ユ-ザー数急増と相次ぐ公式アプリ採用をテコに直近IPO株買いの再燃が有力

編集長の視点

アイリッジ<3917>(東マ)は、190円安の5470円と4営業日ぶりに反発始まっている。今年8月25日につけた上場来安値2765円から10月に6240円の戻り高値まで底上げ、5000円台央の値固めをしており目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ下値では、同社のスマートフォンを使って実店舗への集客をサポートするO2O(オンラインtoオフライン)サービス「popinfo」のユーザー数が、半年で500万人増加し、さらに同サービスを導入する公式アプリが相次いでいることをテコに直近IPO(新規株式公開)株買いも続いている。今年7月16日のIPO時には、公開価格1200円に対して5.3倍の6350円で初値をつけ、初値倍率が、今年のIPO株のなかで段トツとなっている値幅効果の大きさも、再発揮期待につながっている。

■利用ユーザー数は半年で500万人増と拡大ピッチを上げ2500万人超

「popinfo」は、フィーチャーフォン時代の2009年11月にサービスを開始し2010年7月にはスマートフォンにも対応させており、この間、大手企業への公式アプリへの採用が続き、利用ユーザー数も拡大している。同サービスを導入したアプリは今年4月現在で300を超え、ユーザー数も、2012年10月の300万人が、2014年1月に1000万人台に乗せ、その後は増加ピッチを半年で500万人と上げ、2015年3月の2000万人が9月には2500万人を超えた。

また導入アプリも、今年10月19日に三井住友カードが、男子ゴルフトーナメント「三井住友VISA太平洋マスターズ」の大会公式アプリをリニューアルする際に採用し、NTTドコモ<9613>(東1)が「popinfo」を活用して開発した金融機関向けスマホアプリ「アプリバンキング」を横浜銀行<8332>(東1)が採用した。

このため業績も高成長、今7月期業績は、売り上げ11億円(前期比47.7%増)、経常利益2億円(同85.1%増)、純利益1億3300万円(同85.0%増)と大幅続伸を予想、連続して過去最高を更新する。今年12月11日には、今期第1四半期決算の発表を予定しており、7月通期予想業績に対してどの程度の進捗率を示すか注目されることになる。

■最高値からの調整幅の半値戻し水準を固め「半値戻しは全値戻し」へ再発進

株価は、今年トップの初値倍率で6350円で初値をつけたあと、さらに上場来高値7830円まで買い進まれ、世界同時株安の波及などで同安値2765円まで突っ込み、利用ユーザー数の拡大や相次ぐ公式アプリへの採用などを評価して底上げ、足元は、最高値からの調整幅の半値戻し水準での値固めを続けている。相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに一段の戻りに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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