【新春注目銘柄】GCA:クロスボーダー案件に加え専門子会社を設立し事業承継案件も開拓

GCA<2174>(東1)は、M&A仲介会社のなかでも値ごろ的にも投資採算的にも最も割り負けており、2019年12月末に権利を落とした配当利回りは、年間35円の安定継続で3.64%に達し、高配当利回りランキングの上位を占めている。クロスボーダー案件を中心に国内の事業承継案件も手掛けるM&A仲介会社として多くのアドバイザリー実績があり、現阪急阪神ホールディングス<9042>(東1)のかつての阪神電気鉄道との経営統合も同社案件として記憶に新しい。

2019年12月期3四半期(2019年1月~9月期、3Q)も、3Q3カ月の案件は42件に達し、このなかでは長瀬産業<8012>(東1)の同社にとってクロスボーダー案件として最大の約680億円となる米国食品会社の子会社化でもアドバイザリーとなった。国内の事業継承M&A業務についても、2019年7月に専門子会社を設立、約120万社近くが事業承継問題に直面しているといわれるだけに大きなビジネスチャンスになる。調剤薬局チェーンのクオールホールディングス<3034>(東1)が、医薬品製造会社の藤永製薬を買収した案件も、同社が仲介しており、クオールHDが、医薬品製造を経営の第3の柱にすることをサポートした。

目下集計中の2019年12月期業績は、前期の過去最高業績から小幅減益転換が予想されているが、3Q累計業績は2ケタ増益と好調に推移しており、上ぶれ期待も底流する。続く2020年12月期業績は、増益転換し過去最高更新が有力視されている。同業他社のPERが30倍台~60倍台と評価されるなか、同社のPERは15倍台にとどまっており、足元の年初来高値水準から2018年1月高値1164円を突き抜け上値トライが加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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