東京大学と電源開発・日揮・フジクラなど民間8社が核融合開発で連携、社会連携講座を開設

■2025年5月1日開講、学術・技術体系構築と人材育成を目指す

 東京大学は4月25日、フュージョンエネルギーの実用化に向け、Starlight Engine、京都フュージョニアリング、電源開発(J-POWER)<9513>(東証プライム)、日揮ホールディングス<1963>(東証プライム)の日揮、フジクラ<5803>(東証プライム)、古河電気工業<5801>(東証プライム)、丸紅<8002>(東証プライム)を含む民間企業8社と社会連携講座「フュージョンシステム設計学」を2025年5月1日に開設すると発表。

 この講座は、脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障に貢献するフュージョンエネルギーの早期実現を目指し、産学連携によって学術・技術体系の構築と次世代人材の育成を推進するものである。近年、世界中でフュージョンエネルギー発電の実証競争が激化しており、日本も国家戦略に基づき2030年代の発電実証を目指している。民間企業においても、Starlight Engineが主導する「FAST」プロジェクトなどが進行中だ。

 しかしながら、フュージョンエネルギー発電所の実現には、プラントの総合的な設計と設計学が不可欠である。現在のところ、フュージョンプラントの設計を支える学術体系や技術体系は未だ構築段階にあり、技術開発を加速するためにも、この分野を担う人材の育成が急務となっている。「フュージョンシステム設計学」社会連携講座では、東京大学大学院新領域創成科学研究科の江尻晶教授が中心となり、同研究科に新設されたフュージョンエネルギー学際研究センターと連携し、フュージョンプラントの設計に関する学術的な基礎を確立する。

 具体的には、フュージョンシステムの高度化に向けた革新技術の研究、エネルギーの多様な応用可能性の検討、法規制・規格基準の整備状況を踏まえた施設・機器の要件確立など、多岐にわたるテーマに取り組む予定だ。

 東京大学と民間企業8社は、それぞれの専門性を結集し、社会連携講座を通じてフュージョンシステム設計に関する研究を推進する。これにより、フュージョンエネルギーの早期実現に不可欠な学術体系と技術体系の整備を目指す。同時に、この分野の次世代を担う人材を育成し、関連産業の発展に貢献していく構えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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