JSP、製品価格改定効果も寄与して増収も26年3月期は横ばい予想、指標面の割安感は評価材料

 JSP<7942>(東証プライム)は4月30日に25年3月期連結業績を発表した。製品価格改定効果も寄与して増収だが、需要回復が鈍く、人件費増加なども影響して減益だった。26年3月期は不透明感を考慮して横ばい予想としている。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で急落したが、その後は急反発している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。

■25年3月期は減益、26年3月期は横ばい予想

 25年3月期の連結業績は売上高が24年3月期比5.3%増の1422億50百万円、営業利益が8.9%減の68億88百万円、経常利益が10.0%減の73億11百万円、親会社株主帰属当期純利益が20.7%減の50億66百万円だった。配当は24年3月期比15円増配の80円(第2四半期末40円、期末40円)とした。連続大幅増配で配当性向は41.4%となる。

 製品価格改定効果も寄与して増収だが、需要回復が鈍く、人件費増加なども影響して減益だった。営業外では為替差損益が1億76百万円改善(前期は為替差損62百万円、当期は為替差益1億14百万円)した一方で、持分法投資損益が4億32百万円悪化(前期は投資利益37百万円、当期は投資損失3億95百万円)した。

 押出事業(その他に区分していた子会社分を当期より押出事業に変更、前期も変更後に組替)は売上高が3.4%増の493億85百万円、営業利益(全社費用等調整前)が24.0%減の16億45百万円だった。生活資材製品の食品トレー向けが製品価格改定も寄与して順調だったが、産業資材製品における高付加価値製品の販売減少、建築土木資材製品における土木分野向けの減少などで減益だった。

 ビーズ事業は売上高が6.4%増の928億65百万円、営業利益が2.6%減の63億73百万円だった。製品価格改定効果で増収だが、発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心とする高機能材製品の自動車分野向けが減少し、人件費高騰なども影響して減益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が344億96百万円で営業利益が12億92百万円、第2四半期は368億92百万円で営業利益が19億12百万円、第3四半期は売上高が369億02百万円で営業利益が25億35百万円、第4四半期は売上高が339億60百万円で営業利益が11億49百万円だった。

 26年3月期の連結業績予想は、売上高が25年3月期比2.6%増の1460億円、営業利益が1.6%増の70億円、経常利益が1.5%減の72億円、親会社株主帰属当期純利益が1.3%減の50億円としている。配当予想については25年3月期と同額の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。予想配当性向は41.9%となる。

 不透明感を考慮して横ばい予想としている。前提条件として為替レートは1米ドル=145円、原油価格(ドバイ)は70米ドル/バーレルとしている。セグメント別の計画は、押出事業の売上高が5.3%増の520億円で営業利益(全社費用等調整前)が9.4%増の18億円、ビーズ事業の売上高が1.2%増の940億円で営業利益が2.7%減の62億円としている。

 押出事業は生活資材製品、産業資材製品、住宅・建築分野向けや保冷車用断熱材の需要が堅調に推移し、高付加価値製品の構成比が高まることも寄与する見込みだ。ビーズ事業は発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心とする高機能材製品の販売増加で増収だが、利益面は労務費増加の影響などを見込んでいる。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で急落したが、その後は急反発している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。4月30日の終値は1966円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS190円78銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3855円23銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約618億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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