エイトレッドは26年3月期は2桁営業・経常増益予想で9期連続増配予想、クラウドサービスが順調に拡大

 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は4月30日に25年3月期業績(非連結)を発表した。利益面はクラウドインフラコストの増加や本社移転に伴う一時的な減価償却費の増加などにより、計画を下回り横ばいにとどまったが、売上面はクラウドサービスの拡大で2桁増収と順調だった。26年3月期は2桁営業・経常増益予想、そして9期連続増配予想としている。クラウドサービスが順調に拡大し、前期の一時的な減価償却費が減少することも寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で急落する場面があったが、その後は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■25年3月期は利益横ばい、26年3月期は2桁営業・経常増益予想

 25年3月期業績(非連結)は売上高が24年3月期比10.6%増の27億66百万円、営業利益が0.8%増の10億58百万円、経常利益が0.7%増の10億60百万円、当期純利益が2.0%増の7億28百万円だった。配当予想は24年3月期比6円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)とした。8期連続増配で配当性向は32.9%となる。

 利益面はクラウドインフラコストの増加や本社移転に伴う一時的な減価償却費の増加などにより、計画を下回り横ばいにとどまったが、売上面はクラウドサービスの拡大で2桁増収と順調だった。

 製品別売上高は、Cloudがユーザー数増加やパッケージ型X-pointからの移行により26.7%増の13億60百万円、AgileWorksがユーザー数増加や新バージョンアップへのアップセルにより2.3%増の11億62百万円、パッケージ型X-pointがクラウドへの移行に伴う新規ライセンス販売終了(22年3月)により16.6%減の2億42百万円だった。クラウド比率は6.3ポイント上昇して49.2%となった。

 営業利益8百万円増益の変動分析は、Cloud売上増加で2億86百万円増益、パッケージ売上減少で21百万円減益、人件費増加で24百万円減益、減価償却費増加(本社移転に伴う早期償却による一時的増加、製品機能拡充・改善投資に伴うソフトウェア償却費増加など)で93百万円減益、為替の円安影響を含むクラウドインフラコスト増加で1億16百万円減益、その他で24百万円減益だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高6億41百万円で営業利益2億13百万円、第2四半期は売上高7億35百万円で営業利益3億16百万円、第3四半期は売上高6億87百万円で営業利益2億23百万円、第4四半期は売上高7億02百万円で営業利益3億05百万円だった。ストック売上比率の推移は第1四半期が84.4%、第2四半期が76.1%、第3四半期が84.7%、第4四半期が86.9%だった。

 26年3月期業績(非連結)予想は売上高が25年3月期比12.8%増の31億20百万円、営業利益が10.6%増の11億70百万円、経常利益が10.3%増の11億70百万円、当期純利益が7.6%増の7億84百万円としている。配当予想は25年3月期比2円増配の34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。9期連続増配予想で予想配当性向は32.5%となる。

 売上高に占めるクラウド比率を50%超に引き上げることを目指し、パッケージベンダーからSaaSベンダーへの変革を推進する。また顧客単価の向上を図るとともに、解約防止により80%超のストック売上をより強固なものとするため、ユーザーコミュニティによりカスタマーサクセスの強化を推進する。

 製品別売上高の計画はCloudが28.6%増の17億49百万円、AgileWorksが3.4%増の12億02百万円、新規ライセンス販売終了のパッケージ型X-pointが30.8%減の1億67百万円としている。Cloudは主力のX-point Cloudがパッケージ型からのシフトも含めて拡大基調である。AgileWorksクラウド版については25年4月1日より提供プラン変更(価格体系見直し)を実施した。認知度向上により下期から導入が加速する見込みだ。AgileWorksについてはバージョンアップによるアップセルを推進する。パッケージ型X-point(27年3月サポート終了予定)については、残り約600社のクラウド移行やAgileWorksへの乗り換えを推進する。

 営業利益1億12百万円増益の変動計画は、Cloud売上増加で3億88百万円増益、パッケージ売上減少で35百万円現役、人件費増加で1億12百万円減益、減価償却費増加(本社移転に伴う早期償却は減少)で64百万円減益、クラウドインフラコスト増加で25百万円減益、その他で40百万円減益としている。

 26年3月期は2桁営業・経常増益予想、そして9期連続増配予想としている。クラウドサービスが順調に拡大し、前期の一時的な減価償却費が減少することも寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で急落する場面があったが、その後は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月30日の終値は1440円、今期予想PER(会社予想のEPS104円71銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約2.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS676円40銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約108億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る