三井住友カードとソフトバンクがデジタル分野で包括的提携、決済・ヘルスケア・AIで新サービス展開

■「Olive」が非金融サービスを拡充、ヘルスケアや保険でソフトバンクと連携

 三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)の三井住友カードとソフトバンク<9434>(東証プライム)は5月15日、デジタル分野における包括的な業務提携に関して基本合意書を締結したと発表。この提携に基づき、PayPayと三井住友カードは相互に連携した新たな取り組みを順次開始する。同提携の目的は、両社が持つデジタル技術と金融プラットフォームを組み合わせ、利便性と利得性の高い先進的なデジタルサービスを実現し、日本社会のデジタル化とキャッシュレス化を加速させることにある。近年、テクノロジーの進化により業種を超えた協業が活発化しており、SMBCグループの「Olive」とソフトバンクの多岐にわたるデジタルサービスを融合させることで、革新的な顧客体験を創出することを目指す。

 同提携の主要な内容として、まずソフトバンクとの提携においては、「Olive」におけるヘルスケアなどの非金融サービスの展開、決済データと人流統計データを組み合わせたデータ活用の高度化、そして生成AIを活用した新たなビジネスの創出が挙げられる。「Olive」はソフトバンクのデジタルサービスと連携し、2025年度中に三井住友カード会員向けにヘルスケアポータルを提供するほか、保険商品の提供においてもリードインクスと連携する。さらに、法人会員向けにもヘルスケアアプリやメンタルカウンセリングなどの提供を予定している。データ活用においては、三井住友カードの決済データとソフトバンクの持つ人流統計データを組み合わせた顧客分析ツールの提供を検討し、加盟店のマーケティング支援を高度化する。生成AIの活用においては、「Olive」のUI/UXの向上やパーソナライズされたサービスの提案、コンタクトセンターへの自律思考型AIサービスの導入などが検討されている。

 「PayPay」と三井住友カードの連携では、両社のアプリ連携やポイントの相互交換が実現する。「PayPay」アプリでの三井住友カード優遇、「Olive」アプリでの「PayPay」残高確認やチャージ・出金機能の搭載、「PayPayポイント」と「Vポイント」の相互交換により、ユーザーにとってより便利でお得なキャッシュレス決済サービスを目指す。特に、「Olive」を通じて世界中のVisa加盟店で「PayPay」残高による支払いが可能になる点は大きなメリットである。さらに、モビリティサービスなど、ソフトバンクの他の事業領域との協業も検討されており、金融の枠にとらわれない新たなビジネスの創出が期待される。三井住友カードとソフトバンクは、今後も多様な分野での協業を検討し、社会課題の解決と社会的価値の提供を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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