TACの前3月期は各利益とも大幅に黒字化、税理士、不動産鑑定士、社労士講座など人気、法人研修も期を通じて堅調

(決算速報)

■良好な就職環境を受け公務員講座、マンション管理士などは低調

 資格取得講座の大手TAC<4319>(東証スタンダード)の2025年3月期・連結決算は、売上高が前期比1.0%増の191億96百万円となり、営業利益は7億25百万円で前期の3億07百万円の損失から大幅に黒字化、親会社株主に帰属する当期純利益は4億67百万円で同じく前期の2億19百万円の損失から大きく浮上した。

 当期の受講者数は19万9439名(前期比0.3%減)だったが、個人教育事業では税理士講座、不動産鑑定士講座、建築士講座、社会保険労務士講座等が前年の現金ベース売上高を上回るなどで、同事業の現金ベースの営業損益は損失が大幅に減った。法人研修事業は企業向けの研修が年間を通じて堅調に推移したことなどで現金ベースの営業利益が12.2%増加した。出版事業も現金ベースの営業利益が17.1%増加した。子会社の(株)TACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材事業も、営業利益は17.2%増加した。

 今期・26年3月期の業績見通しは、グループの持続的な事業活動と中長期的な成長を推進するため、個人教育事業の収益力強化、人的資本への取り組み、株価純資産倍率の改善、に取り組む。連結売上高は192億6千万円(同0.3%増)、営業利益は7億4千万円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億7千万円(同0.5%増)を見込む。26年3月期の年間配当は1株につき7円(前期比3円の増配)を予定する。

 なお、前期の個人向け講座では、人材不足による良好な就職環境等の影響もあり、学生を主な受講生層とする公務員(国家一般職・地方上級)講座、公認会計士講座等のほか、中小企業診断士講座、マンション管理士/管理業務主任者講座、USCPA講座などは低調に推移したという。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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