
■ドローン物流が宗教儀式を支援
Terra Drone(テラドローン)<278A>(東証グロース)は6月10日、サウジアラビアで開催されたイスラム教の宗教行事「ハッジ」において、ドローンを活用した医療物資の配送プロジェクトを実施したと発表。テラドローンの現地子会社であるテラドローン・アラビアが運用の主担当となり、サウジアラビア保健省や医療物流を担うNUPCOと連携し、ミナおよびアラファト地域において血液や医薬品をドローンで配送した。同プロジェクトでは、ユニフライが提供する運航管理システム(UTM)を活用し、人口密集地上空でも安全かつ効率的な飛行を実現した。
配送には、温度管理機能を備えたDJI製のドローンを用い、従来1時間半かかっていた医療物資の輸送を6分未満に短縮した。ドローンの運航状況はリアルタイムでUTMにより監視され、複数機の位置情報を同時に把握する体制が整えられた。衝突リスクを回避するアラート機能や着陸指示などの高度な制御機能も備え、宗教儀式期間中の緊急医療対応を支援した。
同プロジェクトは、ドローンを用いた医療物流の先進事例として注目されており、テラドローンは今後も医療に限らずサウジアラビアでのドローン技術の応用を広げる方針を示している。また、同社はエネルギー分野における事業拡大も視野に入れ、アラムコとの協業を進めている。世界10カ国で実績を持つUTMや、各国の政府機関との協力体制により、テラドローングループは“低空域経済圏”の構築を目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)