住友化学、バイオLCPの量産技術を確立、2027年度からの供給開始を視野に量産体制構築

■セグリゲーション方式でバイオマス含有量を明確化

 住友化学<4005>(東証プライム)は6月12日、バイオマス原料由来のモノマーを使用した液晶ポリマー(LCP)の量産技術を確立したと発表した。今後、同技術をもとにバイオLCPの量産体制を整備し、2026年度中の顧客認定取得、2027年度からの供給開始を目指す。電子機器や自動車などに用いられるLCPは、従来は化石資源を原料としてきたが、同社はバイオ原料による転換を進める方針だ。

 今回の製造プロセスでは、バイオマス原料とそれ以外を完全に分離して管理する「セグリゲーション方式」を採用しており、製品中のバイオマス含有量が明確となる利点がある。併せて、バイオマス原料の使用量に応じて割り当てる「マスバランス方式」にも柔軟に対応し、顧客のニーズに応える構えを示している。

 同社は、バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーを融合させた合成生物学を活用し、省エネルギー型プロセスの実現や高機能製品の開発を推進している。今後も、非化石資源の活用や温室効果ガス削減を通じて、循環型社会の構築と新規事業の拡大に注力していく考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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