【どう見るこの株】リックソフト、売上高100億円超えを達成、構造改革で盤石な経営基盤を構築

どう見るこの株

■今期連続減益予想業績を織り込み構造改革進展を見直して保ち合い煮詰まる

 リックソフト<4429>(東証グロース)は、前日16日に5円安の820円と2日間の変わらずを含めて9営業日ぶりに反落して引けた。ただ25日移動平均線を出没する三角保ち合いが約2カ月間経過しており、煮詰まり感も強めた。同社の株価は、今2025年2月期業績が、連続増収・連続減益と予想され下値で織り込む動きを続けたが、この伸び悩みは主力サービスの構造改革によるもので、社長主導の構造改革効果で来期収益は改善するとの期待も根強く、今期伸び悩み業績は織り込み済みとして再発進する可能性もあり、押し目は要注目となる。今年3月にはグロースエクスパートナーズ<244A>(東証グロース)と業務提携し、同5月にはBlueMeme<4069>(東証グロース)などとの合弁会社を設立したことも、フォローの材料として見直される展開も想定される。

■社長主導の構造改革でアトラシアン製品シェアを5%超に引き上げ

 同社の今2月期業績は、売り上げ101億6800万円(前期比12.4%増)、営業利益4億1100万円(同10.3%減)、経常利益4億1100万円(同10.9%減)、純利益3億1100万円(同11.1%減)と増収減益が予想されている。ソフトウエアの開発ツールとして世界的な評価を受けているアトラシアン社の最上位パートナーとして国内顧客が大手企業中心に132社、自社開発ソフトを含めたグローバル顧客は8094社に達しており、顧客のIT投資拡大で売り上げは初めて100億円超となる。利益は、アトラシアン社のライセンス製品の競争激化、単価低下や、SIサービスとサポートサービスを顧客に寄り添った戦略パートナーとして強化する構造改革などから連続減益となる。ただこの社長主導の構造改革は、2030年度を目標年度とする「成長ビジョン」に従って、累計60億円の成長投資をするほか、従業員1000人以上の大企業向けのアトラシアン製品シェアを4.84%から5%超に引き上げることも計画しており、来期業績の改善期待につながっている。

 なおグロースエクスパートナーズとの業務提携は、アトラシアン社の製品・サービスを一体となって拡販して企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をサポートし、BlueMemeなど3社との合弁会社「アルターデザインコンサルティング」は、AI(人工知能)とローコード技術を組み合わせて新たなシステム開発手法を提供するものでコンサルティングによる業務設計からエンジニアリングまで一貫して手掛けることになる。

■25日線出没の三角保ち合いを上放れPER11倍の割安修正へ再発進

 株価は、前期業績の下方修正で売られた782円安値から売られ過ぎとして897円までリバウンドしたが、トランプ関税による世界同時株安の波及で年初来安値738円まで再調整した。ここでも売られ過ぎとして戻りを試し、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続けてきた。この三角保ち合いは約2カ月が経過し日柄的にも煮詰まり感を強めている。今期業績は連続減益予想にあるが、PERは11.6倍と売られ過ぎを示唆しており、三角保ち合いを上放れ年初来高値1075円にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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