
■Resonant社の技術と融合、スマホやPCに展開へ
村田製作所<6981>(東証プライム)は7月8日、世界初となるXBAR技術を用いた高周波フィルタの量産出荷を開始したと発表した。同製品は、2022年に同社が買収した米・Resonant社の技術と、これまで培ってきたフィルタ技術を融合して開発された。3GHz以上の高周波数帯において、周辺周波数の不要な信号を効率的に抑制しつつ、必要な信号を低損失で通過させることで、通信品質の大幅な向上に寄与する。
従来、LTCCフィルタやBAWフィルタは高周波数帯での使用において十分な減衰量が得られず、ノイズの混入が課題とされていた。今回の新製品はXBAR技術を用いることで、3GHz以上の帯域においても11〜28dBの高減衰性能を実現。さらに、通過帯域は5150〜7125MHz、挿入損失は2.2dB、反射損失は17dBと、優れた通信特性を備えている。スマートフォンやノートPCなど、無線通信を必要とする各種機器への応用が見込まれる。
XBAR技術は今後、6Gで想定される10GHz超の周波数帯にも対応可能とされ、超高速・大容量通信の進展に向けた鍵となる。同社は今後も市場ニーズに応じた高性能フィルタの開発を進め、無線通信分野における競争力強化と技術革新への貢献を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)