【どう見るこの株】メタウォーター、2期ぶり過去最高益更新へ、インフラ需要と受注残高が牽引

どう見るこの株

■連続増配で株主還元強化、北米事業も寄与し業績絶好調

 メタウォーター<9551>(東証プライム)は、前日10日に8円安の2278円と6営業日ぶりに小反落して引けた。日経平均株価が、174円安と3日ぶりに反落したことから、7月9日に年初来高値2296円まで買い進まれていた同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ取引時間中の安値2258円からは引き戻して引けており割安修正期待の押し目買いも交錯した。同社の今2026年3月期の純利益が、2期ぶりの過去最高更新と予想され、配当も、連続増配が予定されていることが手掛かりとなっている。足元で、浄水場の改良工事を相次ぎ受注し、2025年1月に発生した埼玉県八潮市の老朽化した下水道管の破損による道路陥没事故以来、全国各地で同様の事故が多発していることによるインフラ関連株人気も、側面支援材料視されている。

■高水準の受注残高に今期の受注続伸が加わり北米子会社も貢献

 同社の今3月期業績は、売り上げ2000億円(前期比11.7%増)、営業利益115億円(同8.2%増)、経常利益109億円(同9.5%増)、純利益75億円(同9.4%増)と予想され、純利益は、2024年3月期の過去最高(68億7500万円)を2期ぶりに更新する。上下水処理設備のトップとして前期末受注残が3187億円(前々期末比15.9%増)と高水準が続き、今期受注も2300億円(前期比3.3%増)を計画し、今年4月に全株式を取得したSchwing Bioset(米国ミネソタ州)社が、北米の最先端の下水処理事業を展開して寄与し、プロジェクト進捗管理の徹底やコストダウン施策を引き続き進めることなどが要因となる。足元で契約した受注プロジェクトでは、今年5月14日に同社が参画する沖縄県浦添市のプロジェクトでは456億5000万円、同19日には東京都金町浄水場の改良工事では同社単独で74億7000万円、6月16日の大阪市柴島浄水所の改良工事では、同じく20億9000万円の請負契約金額などとなっている。

 配当は、累進配当制度を導入し、連結配当性向30~40%を目指すことから年間56円(前期実績50円)に連続増配を予定している。株主還元策では、このほか今年2月21日に150万株(発行済み株式総数の3.28%)の自己株式消却を実施済みである。

■GC示現でPER13倍台の修正が続き2021年1月高値にキャッチアップ

 株価は、前期業績の上方修正・増配で2000円大台に乗せ、トランプ関税による世界同時株安の波及で年初来安値1701円に調整し、今期純利益の過去最高更新・連続増配予想や相次ぐ工事請負契約締結、さらに全国各地で頻発する道路陥没事故の関連人気も加わって年初来高値追いとなり、25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換をアピールした。足元ではこのスピード調整となっているが、PERは13.2倍と割安であり、年初来高値抜けからまず昨年1月高値2392円をブレークし2021年1月高値2498円へキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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