主要花火大会の有料席、半数超で値上げ、プレミアム席は平均3.6万円に

■有料席導入大会は過去最多、一般席平均5227円、プレミアム席は7.2%増

 帝国データバンクは7月28日、2025年に開催予定の全国主要花火大会における有料観覧席の導入状況と価格動向に関する調査結果を発表した。動員10万人以上の花火大会106件のうち、有料席を導入した大会は83件と前年より3件増加。うち42大会で有料席の価格を引き上げており、一般席の平均価格は5227円(前年比1.8%増)、プレミアム席の平均価格は3万6193円(同7.2%増)となった。プレミアム席の価格上昇が顕著で、一般席との価格差は約7倍に広がっている。

 有料席導入の背景には、物価高騰に伴う人件費や運営コストの増加がある。安全確保や大会維持のために有料席を新設する大会が増加し、特にプレミアム席ではテーブル席やソファ席、グランピング席など多様な仕様が導入された。一方で、一般席は席数拡充や価格据え置きが目立ち、価格戦略の「二極化」が進行している。最も高額な席は「松江水郷祭湖上花火大会」のVIPテーブル席で12万円だった。

 近年はテーマパークやイベントと同様、体験価値に応じた価格設定の見直しが進み、高額な有料席が浸透しつつある。ただし、高価格帯の席は販売に苦戦するケースもあり、観覧客の受容度にはばらつきがある。地元住民からは「地元なのに観覧できない」との不満の声も上がっており、今後は花火大会における「体験価値と価格のバランス」が問われる展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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