JSP、26年3月期1Q小幅減益も高配当維持で安定感、通期下方修正も収益基盤は盤石

 JSP<7942>(東証プライム)は7月31日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。自動車関連の需要減少などで小幅減収となり、人件費増加なども影響して小幅営業減益だった。そして通期予想を下方修正した。米国関税政策影響などで第2四半期以降に需要調整局面を見込むとした。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■26年3月期1Q小幅減収・営業減益、通期予想を下方修正

 26年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前期比0.3%減の343億92百万円、営業利益が3.0%減の12億53百万円、経常利益が22.1%減の12億79百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.4%増の12億93百万円だった。

 自動車関連の需要減少などで小幅減収となり、人件費増加なども影響して小幅営業減益だった。なお営業外では為替差損益が1億48百万円悪化(前期は為替差益71百万円、当期は為替差損77百万円)したほか、前期計上のデリバティブ評価益68百万円が剥落した。特別利益では退職給付制度改定益3億94百万円を計上した。

 押出事業は売上高が4.3%増の123億23百万円、営業利益(全社費用等調整前)が5.0%増の4億22百万円だった。増収増益だった。全体として販売数量は減少したが、一般包材が好調に推移したほか、製品価格改定効果も寄与した。

 ビーズ事業は売上高が2.7%減の220億68百万円、営業利益が9.9%減の10億61百万円だった。発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心とする高機能材製品の自動車分野向けが減少し、人件費高騰なども影響して減益だった。

 通期の連結業績予想は7月31日付で下方修正して、売上高が前期比0.2%減の1420億円、営業利益が12.9%減の60億円、経常利益が13.8%減の63億円、親会社株主帰属当期純利益が5.3%減の48億円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。予想配当性向は43.7%となる。

 前回予想(25年4月30日付の期初公表値)に対して売上高を40億円、営業利益を10億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を2億円それぞれ下方修正した。米国関税政策影響などで第2四半期以降に需要調整局面を見込むとした。前提条件の為替レートは1米ドル=145円、原油価格(ドバイ)は70米ドル/バーレルで据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は調整一巡して反発の動きを強めている。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。7月31日の終値は1902円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS183円15銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3855円23銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約597億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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