ミロク情報サービス、1Q減益も通期増収増益を維持、ストック型サービス収入が売上を牽引

 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は7月31日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。売上面はストック型のサービス収入が牽引して増収と順調だったが、利益面は売上拡大に伴う仕入原価の増加や積極的な人的資本投資に伴う人件費増加などで減益だった。ただし通期増収増益予想を据え置いた。サブスクリプション型への移行加速によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は徐々に水準を切り上げて戻り歩調の形だ。目先的には第1四半期の減益を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、下値限定的だろう。出直りを期待したい。

■26年3月期1Q減益だが通期増収増益予想据え置き

 26年3月期第1四半期連結業績は売上高が前年同期比3.7%増の115億68百万円、営業利益が9.4%減の12億44百万円、経常利益が8.3%減の12億79百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が20.0%減の8億95百万円だった。

 売上面はストック型のサービス収入が牽引して増収と順調だったが、利益面は売上拡大に伴う仕入原価の増加や積極的な人的資本投資に伴う人件費増加などで減益だった。

 品目別売上高は、システム導入契約売上高が1.7%減の58億56百万円(内訳はハードウェアが32.7%増の15億85百万円、ソフトウェアが22.9%減の22億88百万円、ユースウェアが10.5%増の19億83百万円)で、サービス収入が11.6%増の49億82百万円(内訳は会計事務所向け総合保守サービスTVSが2.2%増の6億59百万円、ソフトウェア使用料収入が30.8%増の22億47百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービスが1.2%減の15億17百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービスが6.2%増の4億37百万円、サプライ・オフィス用品が22.6%減の1億19百万円)だった。中堅・中小企業向けERP製品のサブスクリプション型への移行促進により、ソフトウェア使用料収入などストック型のサービス収入が大幅伸長した。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が前期比6.2%増の490億円、営業利益が6.6%増の67億円、経常利益が6.4%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が11.8%増の49億円としている。配当予想も据え置いて前期比5円増配の60円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は36.7%となる。

 増収増益で連続増配予想としている。新規顧客獲得による顧客基盤の拡大、サブスクリプション型への移行加速、アップセル・クロスセルの推進などにより、人件費の増加などを吸収する見込みだ。なお、現在開発中のSaaS型の新ERP製品を26年3月期後半に提供開始予定である。サブスクリプション型への移行加速によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り歩調

 株価は徐々に水準を切り上げて戻り歩調の形だ。目先的には第1四半期の減益を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、下値限定的だろう。出直りを期待したい。7月31日の終値は1881円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS163円71銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の60円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS978円29銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約608億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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