イトーキ、25年12月期2Q累計大幅増益で通期予想を上方修正、ワークプレイス事業が好調

 イトーキ<7972>(東証プライム)は8月4日に25年12月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。増収・大幅増益だった。ワークプレイス事業の好調が牽引した。そして通期連結業績予想を上方修正し、従来予想に比べて増収増益幅が拡大する見込みとした。引き続きワークプレイス事業が好調に推移するほか、設備機器・パブリック事業が前回予想を大幅に上回る見込みとなった。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は高値更新の展開だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年12月期2Q累計大幅増益、通期予想を上方修正して増益幅拡大

 25年12月期第2四半期累計(中間期)連結業績は売上高が前年同期比9.3%増の792億44百万円、営業利益が54.8%増の106億25百万円、経常利益が53.5%増の104億97百万円、親会社株主帰属中間純利益が36.8%増の69億60百万円だった。

 増収・大幅増益だった。ワークプレイス事業の好調が牽引し、中間期として売上高は3期連続で過去最高を更新し、営業利益も過去最高を更新した。営業利益38億円増益の要因分析は、売上増加に伴う利益増加が27億円増(うちワークプレイス事業で18億円増、設備機器・パブリック事業で9億円増)、売上総利益率改善が31億円増(空間設計・コンサルティングから手掛けるオフィス案件の獲得や24年7月のカタログ改定効果により同社単体ベースの売上総利益率は2.2ポイント上昇)、販管費の増加が20億円減(業容拡大に伴う人件費の増加、DX推進のためのIT基盤強化など)だった。

 ワークプレイス事業は売上高(外部顧客への売上高)が8.3%増の585億71百万円、営業利益が59.1%増の83億22百万円だった。ハイブリッドな新しい働き方にあわせたオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。

 設備機器・パブリック事業は売上高が12.6%増の198億97百万円、営業利益が41.3%増の22億21百万円だった。物流施設向けは資材高等を背景とする着工・竣工遅れの影響を受けたが、研究施設向け設備が好調に推移し、増収効果や利益率改善効果により大幅増益だった。

 その他は売上高が0.6%減の7億75百万円、営業利益が30.9%増の81百万円だった。

 全社業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が427億44百万円で営業利益が74億22百万円、第2四半期は売上高が365億円で営業利益が32億03百万円だった。なおオフィス引越等が年度末(3月)に集中する傾向があるため、同社の業績も第1四半期(1月~3月)に偏重する傾向がある。

 通期の連結業績予想は25年8月4日付で上方修正して、売上高が前期比8.3%増の1500億円、営業利益が19.1%増の120億円、経常利益が19.9%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が15.5%増の83億円としている。配当予想は据え置いて前期比10円増配の65円(期末一括)としている。連続大幅増配で、予想配当性向は38.6%となる。

 前回予想(25年2月13日付の期初計画値)に対して売上高を50億円、営業利益を5億円、経常利益を5億円、親会社株主帰属当期純利益を3億円それぞれ上方修正した。引き続きワークプレイス事業が好調に推移するほか、設備機器・パブリック事業が前回予想を大幅に上回る見込みとなった。修正後のセグメント別計画は、ワークプレイス事業の売上高が10.6%増の1130億円で営業利益が21.3%増の97億円、設備機器・パブリック事業の売上高が4.3%増の360億円で営業利益が27.8%増の23億円としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて高値更新の展開だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月4日の終値は2341円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS168円22銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1001円13銭で算出)は約2.3倍、そして時価総額は約1250億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る