【マーケットセンサー】ビットコイン高値圏で攻防:専門家が提示する「3つの買い場」

【米利下げ観測とETF資金流入が支え、調整局面は段階的に狙う】

■史上最高値圏、背景に米金融政策と旺盛な資金流入

 ビットコインは2025年8月、円建てで1,700万円前後、ドル建てで12万4千ドル前後と過去最高値を更新し、歴史的な高値圏で推移している。上昇の背景には、米国の利下げ観測を受けたリスク資産への資金流入や、米国で承認されたスポット型ビットコインETFへの旺盛な資金流入がある。市場は4月に一時1,000万円台まで急落したが、トランプ政権の仮想通貨政策が追い風となり上昇基調を回復。7月には1,800万円台を付けるなど強い地合いを保つ一方、過熱感からの利益確定売りで短期的な調整局面の兆しも出ている。

■「浅い・標準・深い押し」、3段階の買い場水準

 高値圏での衝動的な買いはリスクが高く、市場では押し目買い戦略が有効とされる。専門家などが示す買い場は3段階あり、まず「浅い押し」は20日移動平均線付近の11万7千ドル(約1,650万円)前後を目安とする。次に「標準的な押し」では50日移動平均線や心理的節目である11万〜11万3千ドル付近が想定される。さらに「深い押し」は200日移動平均線付近の10万ドル(約1,400万〜1,500万円)で、中長期的な好機となる可能性がある。

■積立を土台に追加投資、損切り徹底も必須

 底値の予測は困難であるため、リスク分散を重視した計画的投資が推奨される。基本戦略は毎週や毎月など一定額を買い付けるドル・コスト平均法で、これを土台に前述の3水準到達時に追加投資を行う段階的手法が効果的とされる。加えて、直近高値更新時のブレイクアウト追随戦略もあるが、その場合は直近安値割れで撤退するなど損切りルールの徹底が不可欠だ。

■FRB会合・CPI控え、冷静な押し目待ちを

 今後は9月の米FRB会合やCPIなどの重要経済指標の発表を控え、相場は価格変動の激しい展開が予想される。短期的な調整局面も想定されるため、焦らずに押し目を待ち、計画的かつ冷静な判断で投資機会を見極めることが求められる。投資家にとっては、高値更新局面でも適切なエントリー戦略を持つことが長期的な成果につながる鍵となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る