日立製作所、米国メリーランド州で次世代鉄道工場を本格稼働、総投資1億ドル

■月間20両製造可能、600両超の受注案件に対応

 日立製作所<6501>(東証プライム)は9月9日、米国メリーランド州ヘイガーズタウンにおいて、鉄道車両製造の最先端デジタル工場を本格稼働したと発表した。総投資額は1億ドル(約148億円)で、そのうち3,000万ドル(約44億円)以上をデジタル強化に投じている。同工場はカーボンニュートラルを実現し、月間最大20両の鉄道車両を製造可能であり、ワシントンD.C.地域やボルチモア、フィラデルフィアなど北米各地に供給していく。工場は開設初日から埋立廃棄物ゼロを達成しており、太陽光パネルや再生可能エネルギーを導入してCO₂排出ゼロを実現するなど、持続可能性にも配慮されている。

 同工場は30万7,000平方フィート(約2万9,000平方メートル)の規模を持ち、地域に約1,300人の雇用を生み、そのうち460人が日立レールに直接雇用される。これにより年間3億5,000万ドル(約518億円)の経済効果をもたらすと見込まれている。また、顧客体験施設を併設し、AIによる鉄道資産最適化を可能にする「HMAX」をはじめとする日立のデジタルソリューションを体験できる場を提供する。日立は「One Hitachi」の旗印のもと、デジタル改善やスマート製造を推進し、北米市場での事業拡大を加速させる方針を示した。

 開所式には日立の経営陣や米国運輸長官、メリーランド州知事らが出席し、地域経済への寄与と先端技術による交通インフラ支援を高く評価した。日立は既にワシントン首都圏交通局向け256両、メリーランド州交通局向け78両、南東ペンシルベニア交通局向け200両など、合計600両以上の製造受注を獲得しており、本工場で順次製造を進める。日立グループは今後も北米における成長戦略を推進し、社会イノベーション事業を通じてインフラやモビリティ分野の課題解決を図るとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る