三菱重工、バイオエタノール膜分離脱水システム開発のパイロットプラントで所期性能達成

■長崎のパイロットプラントで国内燃料規格を満たす性能を確認

 三菱重工業<7011>(東証プライム)は9月12日、バイオエタノール製造の高効率化を目指す膜分離脱水システム「MMDS」のパイロットプラントで、国内燃料規格に適合する99.5vol%以上のエタノール純度を達成したと発表した。長崎総合研究所内の「長崎カーボンニュートラルパーク」に設置された同設備で実証したもので、ガソリン代替燃料や次世代航空燃料SAFの安定供給につながる技術開発として注目される。

 バイオエタノールの製造では最終工程で水分を除去する必要があり、従来のPSA方式は多大なエネルギーを要することが課題であった。三菱重工のMMDS®は分子ふるい膜分離方式を採用することで効率化を図り、30%超の消費エネルギー削減を実現する。これによりオペレーションコストの大幅低減と安定した生産体制の構築を可能とし、さらに液相での分離を可能にすることで装置のコンパクト化も実現できる。

 同社は今後、パイロットプラントでの試験成果を基に実証プラントを建設し、早期の市場投入を目指すとしている。植物由来のクリーン燃料であるバイオエタノールの効率的な製造技術を確立し、脱炭素社会の実現に向けたカーボンニュートラル技術の社会実装を推進していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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