【株式市場特集】TOPIXコア30:主力株が地位を回復、割安感からステイタス復活へ

■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に

 今週の当コラムでは、買い遅れカバーの候補株としてTOPIXコア30のバリュー株、コード番号の末尾2ケタが「01」の「01銘柄」の出遅れ株に注目することにした。いまや日本株買いの中心は、日経平均株価への寄与度の大きい超値がさ株となっているが、かつてはTOPIXコア30の大型株、その前の代表株といえば「01銘柄」であった。その往年の主力株が、コモディティ銘柄化して割り負け水準に位置しているのである。「日本株買い」の流れに乗ってステイタス復活の期待が高まってもおかしくない。

 もちろんTOPIXコア30は、AI関連株の東京エレクトロン<8035>(東証プライム)やソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983>(東証プライム)などが中心になるが、まだまだ商社株、銀行株など上値余地を残しているとみられる銘柄が含まれる。また「01銘柄」は、純正銘柄のほか中小型の「01銘柄」が、低PER・PBR、高配当利回り株として多数存在感を示しており、いずれも、買い遅れカバーの適格銘柄として浮上が期待される。

■メガバンク、通信株、大手商社株など3分の1がバリュー株

 TOPIXコア30の低PER株は、みずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)の11.8倍以下、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)、KDDI<9433>(東証プライム)、NTT<9432>(東証プライム)、伊藤忠商事<8001>(東証プライム)、東京海上ホールディングス<8766>(東証プライム)、三井物産<8031>(東証プライム)と並び第8位の三井物産のPERは13.6倍の評価である。指数構成銘柄の約3分の1を占め、メガバンク、通信株、大手商社株の3つにグループ分けされる。このうちみずほFGが、今期業績を上方修正して増配し、ホンダの業績を上方修正して連続減益転換率を縮小させた。

 配当利回りは、今12月期業績を上方修正し配当も増配したJT<2914>(東証プライム)が4.38%で、これを上回るのが武田薬品工業<4502>(東証プライム)の4.45%であり、配当は期初予想通りとしたホンダ<7267>(東証プライム)も4.24%となり、ベストスリーになる。PBR1倍割れは唯一、ホンダの0.58倍のみで武田薬品、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)が、1倍ソコソコである。メガバンクは、9月18日、19日に開催の日銀金融政策決定会合での政策金利引き上げ動向や、会合後の植田和男総裁の記者会見の内容次第では、利ザヤ拡大を先取りして上値評価が続く可能性があり、自動車株も、米国の関税率がきょう16日に27.5%から15%に引き下げられ、大手商社株も、三菱商事<8058>(東証プライム)に続いて著名投資家のウオーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハザウエーの株式買い増しの可能性もあり要注目となる。

■業績上方修正・増配銘柄や株式分割銘柄などカタリストにもバラエティ

 「01銘柄」の低PER株は、ランキング順に上げると極洋<1301>(東証プライム)の7.3倍以下、日本郵船<9101>(東証プライ)、ニップン<2001>(東証プライム)、横浜ゴム<5101>(東証プライム)、SUMINOE<3501>(東証プライム)、ポプラ<7601>(東証スタンダード)、三菱倉庫<9301>(東証プライム)、沢藤電機<6901>(東証スタンダード)、GSIクレオス<8101>(東証プライム)、ツガミ<6101>(東証プライム)と続き、第10位のツガミのPERは12.7倍である。高配当銘柄ベスト5は、日本郵船の4.24%以下、GSIクレオス、学情<2301>(東証プライム)、日本製鉄<5401>(東証プライム)、コマツ<6301>(東証プライム)、大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)と続きコマツと大和証券G本社の年間配当利回りは3.63%となる。また12銘柄がPBR1倍を割っている。

 このうち横浜ゴムは、今12月期業績の上方修正と増配を発表して年初来高値追いとなり、日本郵船は、今3月期業績を下方修正したが配当の減配はなく逆行高し、日本製鉄は、USスチール買収による事業再編損失で今3月期業績を下方修正したが配当の変更はなく今年9月30日を基準日に株式分割(1株を5株に分割)を予定するなどカタリスト(株価材料)にもバラエティがある。学情は、今10月期業績を下方修正し株価は窓を開けて急落したが、年間67円への増配予定に変更はなく下値確認運動を続けている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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