【植物工場で世界初のエダマメ安定生産に成功】東大と法政大、LED植物工場で“畑超え”の収量

■養液栽培で収量は露地超え、糖やイソフラボンも豊富に

 東京大学と法政大学の研究グループは9月12日、人工光型植物工場におけるエダマメの養液栽培で世界初の安定生産に成功したと発表した。従来、植物工場ではレタスなど一部の葉物野菜の栽培に限られており、成長に時間がかかる豆類は難しいとされてきた。同グループは3種類の水耕栽培システムを比較し、とくにNFT方式(養液膜栽培)で露地栽培を上回る収量を得た。加えて、甘みを左右する糖や健康成分イソフラボンが豊富で、味や栄養価においても畑を超える成果を確認した。

 背景にはエダマメの市場特性がある。エダマメは高タンパクで栄養価が高く、世界的に人気が高まっているが、収穫後すぐに品質が落ちるため夏季の一時期にしか流通しにくい課題を抱えていた。今回の研究では、植物体の成長や莢の数を評価し、NFT栽培が最も安定した収量を実現することを確認した。さらに代謝成分の分析により、ショ糖やイソフラボンの含有量が露地栽培より多いことが示され、栄養学的にも付加価値の高いエダマメ生産が可能となった。

 研究成果は、都市の高層ビル内や砂漠地帯といった耕作が難しい環境、さらには宇宙空間における食料供給の可能性を示すものとなった。NFT栽培は積層栽培にも適しており、都市部の限られたスペースでも効率的に大量生産が可能とされる。これにより、気候変動や農薬依存の影響を受けない持続可能な食料供給モデルとして期待が高まっており、「一年中おいしいエダマメ」が実現可能な未来が現実味を帯びてきた。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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