スターシーズ、高圧系統用蓄電池システムを野村屋HDに初受注、3年間で75億円見込む

■ロベステック提携システムで初案件

 スターシーズ<3083>(東証スタンダード)は9月16日、高圧系統用オールインワン型蓄電池システム「All-in-One型SS蓄電池システム」を構築・商品化し、野村屋ホールディングスから初受注したと発表した。受注したシステムは出力1.998MW、蓄電容量8.358MWhで、液冷式リン酸鉄蓄電池、高効率PCS、受変電設備を一体化した独自の構成となる。設置場所は兵庫県西脇市で、2026年1月に着工し同年5月末に運転開始予定である。

 背景には、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた再生可能エネルギー導入拡大がある。太陽光や風力などの電源は発電量が不安定であり、余剰電力問題が顕在化している。系統用蓄電池は需給バランス調整に不可欠で、国内出荷容量は過去10年で約83倍に拡大し8GWhに達した。スターシーズは、電力需給の安定化と企業の電気料金削減やBCP対策への貢献を目指し、同システムを開発した。

 同社は上海に本社を置く世界的蓄電池メーカー、ロベステック社との業務提携に基づき開発を進めており、今後3年間で75億円の売上を見込む。また複数社と販売交渉を進めるほか、バーチャルパワープラント構想や次世代電力取引市場への対応も視野に入れる。事業を単なる多角化でなく「エネルギー問題解決に貢献する責任ある企業市民としての成長」と位置づけ、企業・自治体へのソリューション提供を強化していく考えである。なお、2026年2月期業績への影響は算定中としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る