新日本製薬、絶滅危惧種ムラサキ由来「シコンエキス」と独自品種「カンゾウフラボノイド」を法人向け販売開始

■ムラサキの安定栽培技術確立、コラーゲン産生や育毛効果を確認

 新日本製薬<4931>(東証プライム)は9月18日、長年の研究成果である化粧品原料「シコンエキス」と「カンゾウフラボノイド」を10月1日から法人向けに販売開始すると発表した。前者は絶滅危惧種ムラサキの根から抽出した成分で、後者は同社が国内で初めて独自開発したスペインカンゾウ品種から得られた成分である。同社はこれらを化粧品・医薬部外品向けの有用な国産素材として供給し、美と健康分野で新たな価値を提供する方針だ。

 シコンエキスは、国内で栽培が困難とされたムラサキの根「紫根」を対象に、2006年から同社が栽培研究を進めて確立した技術に基づいて安定生産が可能になった。研究では、コラーゲン産生を促す効果、育毛効果、さらに黄色ブドウ球菌やアクネ菌に対する抗菌作用が確認されている。こうした知見から、肌のハリ維持、毛髪の成長促進、肌トラブルの予防など、多方面での応用が期待される。

 一方のカンゾウフラボノイドは、国内栽培が難しい甘草に着目し、2006年以降研究を重ねて開発されたスペインカンゾウの新品種「新日本製薬GG01」から抽出された。同品種は植栽から1年半で主要成分グリチルリチン酸の基準値を満たし、2022年に日本で初めて登録されたものである。抽出成分はメラニン生成を抑える作用が確認され、シミ予防効果が期待される。同社はこれら新原料を化粧品や医薬部外品市場に提供し、研究開発の成果を社会に還元する姿勢を強調している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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